コーヒーチェーン大手の米Starbucksと米Appleが始めた新しいプロモーションが話題になっている。この件を報じているのはCNETで、Starbucks店舗を利用した顧客に対して、週ごとに決められた有料iOSアプリを無料でダウンロードするためのプロモーションコードを配布するという。両社は以前にも特定の楽曲を来店者に対して無料でダウンロードできるようにしたり、店舗の有料ホットスポットをiTunesユーザーのみ無料で利用できるサービスを提供してきたが、その新たな試みとなるだろう。

両社の提携関係は古く、例えば初代iPhoneがリリースされた2007年には全米のStarbucks店舗に張り巡らされた有料のWi-Fiホットスポット網で、iTunes Music Store (現iTunes Store)の利用に限り無料でホットスポットが利用できるサービスの提供が行われたこともある。このサービスは、Starbucks店舗で流れている音楽のプレイリストとタイトルをiTunes上で確認でき、気に入った曲をそのまま購入可能というものだった。なおその後、Starbucksのホットスポットは運営母体がT-MobileからAT&Tへと移り、Starbucksカード利用者は2時間限定で無料でホットスポットが利用できる形態になり、現在は完全に無料開放された状態になっている。

そして両社の提携はこの間も続いていたようで、前述のように毎週特定の楽曲をプロモーションとして無料ダウンロードできるようにしていたり(本来は1曲1.29ドル)、StarbucksカードをiOSアプリに取り込んで現金なしの端末のみで決済を可能にする仕組みを提供したりと、StarbucksとAppleの仲は現在も良好なようだ。Appleにとってはサービスのプロモーションの場になるし、Starbucksにとってはサービスをきっかけにリピーターを呼べるという目論見があったのかもしれない。

今回のニュースについては、現時点で詳細を確認できておらず、実際に毎週継続的に行われているプロモーションなのかは不明。CNETの報道によれば「Pick of the Week」のタイトルで「Shazam Encore」というアプリを紹介するカードがStarbucks店舗内に用意されており、ここに無料ダウンロードを可能にするプロモーションコードが記述されているという。本来は5.99ドルのアプリを、このコードを利用することでApp Storeから無料ダウンロードできるというわけだ。新しいアプローチだといえるだろう。