既報の通りソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズは、NTTドコモ向けにAndroid搭載スマートフォン「Xperia ray SO-03C」を8月27日から発売する。コンパクトなデザインに仕上げ、主に女性をターゲットにプロモーションなどを展開していく。

3色のボディカラーに「My Little Xperia 手のひらに、プレミアムを。」というキーワードで展開していく

女性比率7割を目指すXperia ray

Android搭載スマートフォンXperiaブランドの最新モデル「Xperia ray」は、今年6月にシンガポールで発表されており、今回、NTTドコモ向けとして国内投入される。「コンパクトでスリムなボディ、美しいデザインが特徴」(仲井一雄社長)であり、「機能にも一切の妥協がないプレミアムモデル」(同)だという。

ソニー・エリクソンの仲井一雄社長

NTTドコモの山口文久氏

ソニー・エリクソンでは、2009年に初代Xperiaを国内に投入。その後Xperia arc/acroを発売している。海外では廉価モデルやキーボード搭載モデルまで幅広いラインナップをリリースしており、すでに1,600万台を出荷している(6月末時点)。

ドコモは、ユーザー一人一人のニーズに合った商品展開という方針から、今年に入ってからすでに9機種のスマートフォンを提供。10機種目となるXperia rayでは、特に女性をターゲットに据えた。本体カラーはGold、Pink、Whiteの3色で、グローバルモデルにはあるBlackを省いた点からも、ドコモの女性への注力が見て取れる。

ドコモのスマートフォンラインナップ。10機種目となる

初代Xperia以降、数量シェアでスマートフォンが拡大。すでに50%を突破している

ドコモのスマートフォンは、ほぼ60%を男性が占めており、女性比率をさらに高めたい考え。ドコモの調査では、「女性の視点では、サイズや重さ、カラーバリエーション、端末を持ったときのフィット感」(ドコモ プロダクト部第二商品企画担当部長・山口文久氏)を重視していることが分かり、その観点から商品企画を進めてきたという。

男女比率では、まだまだ男性比が高いが、Xperia rayでは女性比率を大幅に高めたい考え

女性の要望は、男性よりもサイズやカラー、重さを重視する

Xperia ray自体はグローバルモデルだが、企画開発にはソニー・エリクソンの日本のメンバーが中心となり、日本市場を見据えて開発を行ってきたという。こうした点から開発されたため、女性の手でも扱いやすいように液晶は3.3インチ、111(H)×53(W)×9.4(D)mm、約100gという「通常のスマートフォンより軽量に作って、持った感じも軽くなる」サイズとした。ドコモとソニー・エリクソンは、iモード対応携帯電話「premini」のような端末を販売してきたこともあり、このXperia rayでもそうしたコンパクトなボディの製品を目指したそうだ。

Xperiaシリーズとのサイズ比較。Xperia rayがもっともコンパクト

女性に好評という3色のカラーバリエーション。ホワイトは男性人気も期待する

高垣浩一常務

スマートフォンの利用者は男性比率が高いが、今回のXperia rayでは「男女比率を3:7にしたい」(ソニー・エリクソン常務取締役・高垣浩一営業本部長)考えで、端末のデザインなどの魅力で女性ユーザーの獲得を目指しつつ、「初代Xperiaで男性にも人気だった」(山口氏)というWhiteモデルでは高機能端末ということで男性ユーザーも狙っていく。

コンパクトながら背面には有効画素数810万画素の裏面照射型CMOSセンサー「Exmor R for Mobile」や映像表示の高画質化エンジンのモバイルBRAVIAエンジンは変わらず搭載。新たに自分撮りやSkypeなどでのビデオ通話に使えるインカメラ、音質向上技術のxLoud、日本語入力の「POBox Touch 4.3」による音声入力などの新機能を追加した。基本的にソフトウェアベースの新機能は、従来のXperia arc/acroにもバージョンアップで提供する方針だという。

Human Curvatureという同社のデザインコンセプトにしたがった手にフィットするカーブ

側面の超硬アルミ合金によるメタル仕上げの側面は、質感の違いがアクセントになっている

「チャームポイント」(山口氏)という三日月型のホームボタン。イルミネーションがポイント

ミュージックプレイヤーは従来の機能に加えて新機能を搭載

Infiniteボタンでは新たにWikipediaやGoogleを使った情報取得も可能に

xLoudは再生レベルを強調し、より迫力のあるサウンドで再生できる

Exmor R for Mobileの搭載で、カメラの動作は速く、特に高感度時の画質が改善されている。Xperiaシリーズでは初めてのインカメラも搭載した

日本語入力のPOBox Touchで音声入力をサポート

予測変換候補の表示エリアに触れて下へフリックすると、候補を大きく捧持して選択しやすいようにした

キーボードを変更できる「キセカエキーボード」に対応。プリセットされた3種類に加え、同社のサイトからダウンロードもできる

その他のスペック。ハードウェア部分やテザリング、FOMAハイスピードなどの対応は従来通り

同社製のアクセサリだけでなく、サードパーティ製のアクセサリも充実させる

ジャケットやイヤホン、スピーカーなど、いくつかのアクセサリがすでにリリースされることが決まっている

ソニーだけでなく、アクセサリメーカーもすでに開発を進めている

マーケティングでは、若い女性をメインターゲットに、従来以上に女性を意識したテレビCMなの放映などを行う。8月27日から放映されるテレビCMでは、m-floのVERBAL氏がプロデュースした「VARBAL with 石川マリー」による書き下ろし楽曲を採用。

さらに日本最大級のファッションイベント「KOBE COLLECTION 2011 AUTUMN/WINTER」とコラボレーションしたプロモーションやキャンペーンも実施する。「スマートフォンは、わたしたちのリアルファッションへ」というメッセージを使って訴求していきたい考えで、交通広告や雑誌、スペシャルサイトなどでファッション性をアピールしていくという。

神戸コレクションとの連携では、ショーだけでなくファッションモデルともコラボレーションしてキャンペーンなどを実施していく

神戸コレクション参加の25ブランドがデザインした背面カバーを、計1,500人にプレゼントするキャンペーンも実施する

「初代Xperiaではスマートフォンの扉を開いた」と山口氏。その上で今回投入するXperia rayによって「若い女性の新たなスマートフォンへの扉を開いていきたい」と意気込んでいる。

神戸コレクションにも参加しているモデルの(写真中央左から)大石参月さん、浦浜アリサさん、滝沢カレンさんも参加して、ファッションショー形式で端末が披露された