ミュージシャンの佐野元春と映画監督の堤幸彦が6日、東京・オーディトリウム渋谷で、WOWOWスペシャルドラマ『コヨーテ、海へ』DVD発売記念イベントを行った。

ドラマ『コヨーテ、海へ』DVD発売記念イベントを行った佐野元春(左)と堤幸彦監督 拡大画像を見る

『コヨーテ、海へ』は、架空のロードムービーのサウンドトラックとして制作された佐野のアルバム『COYOTE』から生まれた、堤監督によるロードムービー。ストーリーは、ブラジルの観光地でもない大西洋に突き出す堤防に向かう中年男・北村(佐野史郎)、謎の失踪をした父の秘密を探るためニューヨークを訪れた青年・ハル(林遣都)と、そこで出会った魅力的なダンサー・デイジー(長渕文音)。この2つの錯綜する物語は、どこに行きつくのか…というもので、全編に渡り、佐野の楽曲が使用されている。

常に佐野の音楽にインスパイアされてきたという堤監督は「佐野さんの『COYOTE』が発表された時、数ヵ月くらいずっと聞きっぱなしで。以前、『COYOTE』を聞くと前に進める気がするとブログに書いたら、企画が立ちあがって作品を作ることが出来ました。本当に光栄です」と話し、佐野は「『COYOTE』は、映画のサウンドトラックみたいなのを作りたいと思って、ストーリーや登場人物を考えながら制作をしたんです。堤監督から、ムービーを撮りたいと聞かされた時は、偶然ではないと思いましたね。音楽と映像という表現の違いはありますが、世代が同じなので、有意義なコラボレーションができると考えました。」と制作に至った経緯をそれぞれ語った。

作品について佐野は「ウッドストックもよく行ってたし、ニューヨークのシーンは懐かしかったですね。初めて見る映画じゃないと思いました。好きなシーンは、ハルが教会でポエム・リーディングをするところ。僕もその経験があるから」と、自身のルーツであるビート・ジェネレーションのシーンに共感した様子。堤監督は「近年、規模の大きい撮影が多かったので、本当に楽しかった。EOSのムービーで撮影して、スタッフも10人くらいの少人数で。自主映画のようで、原点に帰れました」と、感慨深げに話した。

また、佐野は劇中でカメオ出演しているそうで、「堤監督の『SPEC』も、この作品も両方白衣で出てるんです。白衣タレントになろうかな。まあ冗談ですが…(笑)」と話すと、堤監督からは「是非、気が向けば続けていただきたいですね」とエールが送られていた。

『コヨーテ、海へ』DVDは、本編と特典映像の2枚組、4,935円で発売中。(発売元:ポニーキャニオン)