中国のEコマース大手アリババ・グループの子会社アリババクラウドコンピューティング (AliCloud)は28日、モバイルデバイス用OS「Aliyun OS」を発表した。搭載スマートフォンK-Touch Cloud-Smart Phone W700を7月中に中国市場で発売し、また大画面モバイルフォンやタブレットなどに採用を広げていくという。

Aliyun OSとK-Touch Cloud-Smart Phone W700を発表するWang Jian社長

PCWorldなどの報道によると、Aliyun OSはLinuxをベースにAliCoudが3年の月日をかけて開発した。AliCloud独自の分散ファイルシステムと仮想マシンを用いている。Android用アプリケーションとの完全互換を実現しているが、AliCloudはAliyun OSを"モバイルクラウドOS"と位置付けている。同社がクラウドアプリと呼ぶWebアプリとクラウドサービスの組み合わせが搭載モバイルデバイスの主な使用スタイルになる。コンセプトはAndroidよりもChrome OSに近い。

Aliyun OSユーザーにはそれぞれ100GBのクラウドストレージが割り当てられ、Aliyun OSデバイス内のコンタクトやノート、通話ログ、テキスト、写真など各種データがシームレスに同期・バックアップされる。PCや他のモバイルデバイスを使ってクラウドストレージ内のデータにアクセスし、データをアップデートすることも可能。

サードパーティ開発者は独自サーバでクラウドアプリを提供できるが、AliCloudは低コストですばやくクラウドアプリを開発・提供できるホスティングサービスを用意している。