社員食堂のレシピ本がベストセラーとなっているタニタで、22日、夏向け新メニューの試食会と健康プロジェクトスタートについての記者発表会が行われた。

東京都板橋区にあるタニタ本社

当日は70人ほどの報道陣がつめかけた。関心の高さがうかがわれた

味はしっかり、ボリュームもたっぷり

社員食堂は1999年にオープン。500キロカロリー前後の定食を毎日1種類提供してきたが、代表的なメニューを取り上げたレシピ本を昨年1月に出版し、同年11月には第2弾も出版された。発行部数はトータルで約220万部に及び、大きな話題となったことは記憶に新しい。

夏バテ予防のヘルシー定食。デザートは、タニタと森永のコラボレーションによるもの

社員食堂の新メニューは、「韓国風焼肉」をメインとした夏バテ予防のヘルシー定食。ごはんを含んだ定食のエネルギーは、ひとり分510kcal、塩分は3.5gだが、意外と食べ応えがあって、味もしっかり。味が薄く、量も少ないヘルシー料理のイメージは、あっさりと覆された。

韓国風焼肉は、226kcal、塩分は1.6g。豚もも肉を、トウバンジャン、コチュジャン、醤油、酒などを合わせたタレで味付けし、長ネギと一緒にゴマ油で炒めた料理で、ほんのりとした辛さがほどよい刺激となって、食が進む。

付け合せの「ピーマンのサラダ」(54 kcal、塩分0.6g)は、ピーマン、ヤングコーン、カリフラワーがたっぷりと盛り付けられた一品。粒マスタードと酢がきいた調味料が、塩分が少なくてもいいアクセントとなっている。「中華きゅうり」(31 kcal、塩分0.3g)は、シンプルながら、ショウガが隠し味となっていて、爽やかな風味が感じられた。「じゃがいもの味噌汁」(39 kcal、塩分1.0g)も、本当にシンプルだが、じゃがいものボリューム感に満足できた。

徹底した社員の健康管理

また、メタボ社員ゼロを目標としたプロジェクトについては、法人向けにソリューション提案していくことも明らかにされた。

タニタでは、2009年より、通信機能を備えた歩数計と体組成計を使った社員の健康管理を実施してきているが、さらに、最新機器を導入し、ウェブを活用した健康管理サービス「からだカルテ」をスタート。

歩数計とマルチ周波数体組成計のデータが転送されて「からだカルテ」のサーバに蓄積され、専門家がそれをもとにサポートを行うことで、より高度な健康管理体制が実施される。生活習慣病などが問題となった場合は、携帯型デジタル尿糖計などの最新計測ツールを使いつつ、栄養管理士による指導プログラムが組まれるという。

また、いわゆるメタボの対象者以外の社員にも、週1回の計測が義務付けられていて、カロリー500キロカロリー前後のランチとともに、社員の「脱メタボ」を支援していく。

なお、タニタはこのプロジェクトによって、社員の健康管理(計画・実行・検証・改善)体制を構築、法人向けの健康管理ソリューションとしてパッケージ化し、提案していく予定だ。

タニタのさまざまな最新計測機器

新たに開発された業務用マルチ周波数体組成計「MC-980A」

挨拶する谷田千里社長

新しい健康管理システムの運用イメージ

社員がチェックできる「からだカルテ」には、体重、体脂肪、歩数などが自動転送される