通信講座のプロが教える! 挫折だらけの英語学習を"劇的"に変える5つの方法

忙しいビジネスパーソンに人気の英語の通信講座。自分のペースで、好きな時間に学習できるのがメリットだが、なかなか最後まで続かない…と悩む人も多いようだ。やる気を維持し続けるコツってないものだろうか? アルクの英語教材編集部副編集長の山本高裕さんに聞いた。

英語学習で挫折しやすい4つのパターンを解説

アルク英語教材編集部山本高裕副編集長

まずは、これまで多くの英語学習者の声を聞いてきた山本さんに、英語学習で挫折しやすい4つのパターンを教えてもらった。自分が陥りやすいのはどのケースかチェックしてみよう。

[1]生活リズムが変わった時

就職・転職や結婚など、人生の節目では生活リズムが変わり、何かとドタバタと忙しくなることが多い。ちょっとめんどくさいなと後回しにするうちに、英語に向き合わなくなるケースがあるだろう。「カノジョができた」「フラれた」といった時に学習から遠ざかってしまう人も少なくないようだ。

[2]すぐに「あぁダメだ」と考えてしまう

3日間上手く続けられたのに4日目がうまくいかなかった―。それだけで「あぁダメだ」と"途切れる"パターン。「『きょうはダメだけどあしたがあるさ!』と気にしなければよいのに、なかなかそう考えられない人も多いようですね」。

[3]成果が感じられない時

筆記テストなら「80点が90点になった」とわかり易いが、日常会話やビジネス会話だと上達はなかなか実感しづらいことも。成果が見えないことで学習へのモチベーションが下がっていくパターン。

[4]学習がマンネリ化してしまう!

勉強に新鮮味が感じられなくなってきたり、同じことを繰り返しているようでちょっと飽きてしまったり……。

挫折だらけの英語学習を"劇的"に変える5つの方法

では、上の4つのパターンに陥らず、英語学習を継続するにはどのようにすればよいのだろうか。教材開発にも生かしているという5つの極意を山本さんに教えてもらった。

[1]テキストはいつも近くに

「えいや!!」と気合いを入れて学習するスタイルでは挫折しやすい。机での勉強にこだわらず、いつでもどこでもすきま時間にパッとテキストが見られるように持ち歩く。週に1回まとめて学習するより1日5分でも10分でも毎日英語に触れた方が英語力は伸びるそうだ。

アルクの通信講座テキストはA5版、B6版と小さいサイズのものも。「持ち歩き」を意識した大きさになっている

学習習慣がなかなか身に着かないという人は、朝起きてすぐの20分とか、出勤途中の電車に乗っている15分とか、毎日決まって繰り返されるちょっとした時間を"勉強タイム"にしよう。毎日の生活パターンの中に組み込んでしまうことで、習慣化しやすくなる。


この春開講した『朝英語Biz』の学習時間は1日20分(3カ月で修了)。無理なく学習を続けられるプログラムになっている	『朝英語Biz』のテキストの端にはミシン目が。終わったページをちぎっていけば今学習しているページがすぐに開ける

[2]生活の中で英語との接点を増やす

普段の生活の中で私たちは意識せず日本語を読んでいる。それと同じように「そこに英語がある」生活スタイルをつくろう。テキストだけでなく、映画やドラマ、英字新聞、英文サイトなどでも英語との接点を増やし、英語の回路にスイッチが入る回数を増やす。好きな芸能人のツイッターや有名人のブログでもOK。普段からいろんな英語に楽しく触れていれば、肩の力を入れずにスッと英語学習に入れるはずだ。

[3]英語に費やした時間も成果と考える

学習成果が見えないと不安になるものだが、赤ちゃんがある日突然しゃべりだすのと同じで、英語に費やした時間は財産と考えよう。勉強していれば見えないところでも成果は必ず積み重なっている。

毎日1人で英語に触れ続けている人は、英語に費やした時間をグラフや表にして"見える化"して成果と捉えるのもいい。エクセルなどで表を作り、10分、20分の単位で塗りつぶしていく。意外なほど達成感を感じる。家族がいる人は冷蔵庫に張ってみては。「最近やってないんじゃないの、パパ」と子どもの厳しいチェックが入るかも。

学習の継続に役立つと好評なのが『TOEICテスト 800点攻略プログラム』についてくる英語貯金グラフ。10分勉強することに1マス塗っていく。100時間が1つの目安

[4]"同志"を見つけてモチベーションを維持する

例えばジョギングの場合でも1人で走るより、誰かと一緒に走っている方が続くものだ。リアルな友だちでももちろんいいが、英語学習者が集まるSNSで"同志"を見つけ、励まし合ったり、悩みを相談し合ったりするのはモチベーションを維持するにはいい方法。ちょっとやる気がなくなった時でも「あいつがいるから頑張るか」、そんな気持ちになるだろう。

英語学習者のコミュニティサイト「アルコムワールド」で気の合う"同志"が見つかるかも!?

[5]やる気がなくても英語学習を継続させる裏ワザを使う

楽しいこと、おいしいものとセットにして勉強するという手。例えば、自分の好きなスコーンと英語の勉強をセットにする。近所の公園やカフェなど居心地のいい場所を探して勉強するのも○。いつもとは違う感覚で英語が楽しめるはずだ。

写真や料理などの趣味のサイトでも、恋愛相談サイトでもいいので自分が好きな分野の英文サイトなどを日頃から"ストック"しておくのもいいだろう。やる気がない時にはこうしたサイトを眺めているだけでも英語に触れていることにはなる。失恋のショックでテキストを開く気力がない時でも、恋愛相談サイトなら読めたりするかもしれない(!?)

山本さんがよく楽しんでいるのは写真の共有を目的にしたコミュニティサイト「Flicker」

「『勉強』するというよりも生活の中で楽しく『英語に触れる』くらいの気持ちでいると続けやすいですよ」と山本さん。語学学習に大切なのはなにより「継続」。5つの極意をしっかり頭に入れて、今度こそ"三日坊主"を返上してみては?