既報の通り、KDDIはWindows Phone 7.5(Mango)を搭載したスマートフォン「Windows Phone IS12T」を9月以降に発売する。Windows Phone 7を搭載したスマートフォンは国内初登場で、その最新OSである「Mango」(開発コード名)搭載スマートフォンを搭載。KDDIの田中孝司社長は、「だんだんと気持ちよくなってくるスマートフォン」と絶賛する。
IS12Tは、国内初のWindows Phone 7搭載スマートフォンであり、最新バージョンのWindows Phone 7.5(Mango)搭載スマートフォンの正式発表としては世界初だという。独自のメトロデザインを採用し、ホーム画面の上下方向のスクロールに加え、横方向に展開するパノラマUIによる独自の操作性は、「使って1日とか1日半は非常に取っつきにくい印象を与えるが、それをすぎるとだんだんだんだん気持ちよくなってくる」(田中社長)のだという。
さまざまな情報を統合したハブの概念を採用しており、TwitterやFacebookなどのSNSを統合した電話帳であるPeopleハブでは、「SNS世界はこういうもの」(同)という優れた感覚を実現しており、使うほどに「ますます気持ちよくなる」と田中社長。その上で田中社長は、「スマートフォンの未来が、気持ちよさの次に見えてくるのではないか」と話す。
田中社長は、特に「携帯の"プロ"の人に、携帯の好きな人に使ってもらいたい」と述べ、そういうユーザーがまず「本当の良さが分かる」ことにより、口コミなどを通して幅広いユーザーに訴求できるという認識だ。直感的なUI、滑らかな動作に加え、携帯電話の"プロ"である田中社長は、特に気に入っている機能として「SkyDrive」をあげる。
マイクロソフトのクラウドサービスであるSkyDriveは、ファイルストレージサービスとして25GBの容量を無償で提供。Windows Phone 7端末の保存先として設定できるため、シームレスにデータのやりとりが可能。PC側では、ファイルをドラッグ&ドロップで簡単にアップロードでき、それをそのままWindows Phone 7端末で利用できる。Windows Phone 7ではOfficeファイルの閲覧、編集が可能で、PCで作成したOfficeファイルをWindows Phone 7で修正し、SkyDrive経由で共有するといった作業も簡単に行える。
IS12Tでは、どの画面でもシャッターボタンからすぐに撮影が可能で、端末内で閲覧するほかに、SkyDrive経由での共有も簡単に行え、こうした機能は「使っていくとけっこう気持ちいい感覚になる」(同)とのことで、田中社長は「プロである私のレコメンデーション(推薦)ということで体験してもらいたい」とアピールする。
田中社長は、今年のauの目標である「auらしさはワクワク感」というコンセプトの実現に対し、これまでAndroid OSを搭載したスマートフォンラインナップを充実させ、「いろいろなスマートフォンが選べること」を推進してきた。今回のWindows Phone 7.5(Mango)搭載スマートフォンのリリースは、「いいモノをいち早く(提供する)。ワクワク感は選べるだけでなく、いいもの、最新のものがなければいけない」という観点から、他社に先駆けての発表にいたったという。
「Android au」というブランド名でAndroidを推進している同社だが、Windows Phone 7.5については、新たなプロモーションを展開していく計画だ。製品としては、Windows Phone 7.5のSNSとの連携機能を中心に、コンシューマ向けにプッシュしていく意向で、Windows Mobileのようにビジネス向けを中心のプロモーションは行わないという。
Android auとしてのラインナップに加え、Windows Phone 7によってスマートフォンを拡充し、ユーザーへの選択肢を充実させる
「スマートフォンの世界は始まったばかり」と田中社長。出遅れが指摘されるWindows Phone 7.5だが、拡大の余地はあるとの見方で、「良さを分かってもらえるようなプロモーション」(同)をすることで、幅広いユーザーに使ってもらうための選択肢として提供していきたい考えだ。