Windows XPがリリースされておよそ10年。さまざまな理由により、2世代を経てなお最新OSであるWindows 7とほぼ同じバージョン別シェアを誇っている。米MicrosoftではWindows XPのサポートが終了する2014年8月8日まで1,000日を切った7月11日(現地時間)、既存ユーザーに対して新OSへの移行を促すメッセージを発信した。
これは、米MicrosoftのStephen Rose氏が「With only 1000 days left of extended support, don't you think it's time to retire Windows XP?」のタイトルでWindows Team Blog上に投稿したもの。現在、Windows XPは「延長サポート」というフェイズに入っており、主に企業向けに必要最小限のサポート情報やアップデートが提供される状態になっている。そしてこの延長サポートも2014年8月8日になった段階で終了し、Windows XP向けのすべてのセキュリティパッチやホットフィックスの提供はストップすることになる。すでにXP向けにはInternet Explorer最新版の提供が行われなくなっているが、現役OSとして使用し続けるのにはさらに危険な状態となるわけだ。そこでサポート終了まで残り1,000日を切った現時点から、「早めに新環境への移行をスタートさせてはどうだろうか?」というのがこの投稿の趣旨となる。
Rose氏は投稿の中で「Windows XPは素晴らしい働きを果たし、実際に何百万台ものPC上で今日でも現役だ。だが、そろそろ次のステップへと移行する頃合いではないだろうか。理由は2つある。1つめはWindows XPの延長サポート終了まで1,000日を切ったこと、2つめはWindows XPよりも優れたOSが市場に存在すること」としている。この優れたOSとはもちろんWindows 7のことで、同氏によれば多くの企業がこの新OSによりコスト削減や生産性向上、セキュリティ面でメリットを受けていると紹介している。一方で半数以上の企業や組織が2012年初頭までWindows 7の展開を開始しないという、Gartnerの最新調査データにも言及している。
使い慣れたOS環境を離れ、新OSへの移行を促すというのは、ある意味でMicrosoft側の都合ではあるが、旧OSのサポートを続ける負担と新ハードウェアや新技術のサポートが行われるという点を考えれば、ユーザーにとってもメリットがある。実際、すでに通常の小売りルートではWindows XPの入手ができなくなっており、今後は自然にユーザーが減っていくのを待つだけの状態になっている。最後のハードルは、新OS導入に時間のかかっている企業ユーザーの存在ということになる。Rose氏は自身の投稿の中でWindows 7の利用や移行に関するTIPSや各種リンク集を紹介しており、こうしたユーザーの次のステップの一助となればと述べている。