女優の中谷美紀が8日、都内で行われた主演舞台『猟銃』の製作発表に出席した。
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同作は、井上靖の同名小説を舞台化した作品で、ひとりの男の13年間にわたる不倫の恋を、妻、愛人、愛人の娘の3通の手紙によって、それぞれの想いが浮かび上がるというラブストーリーで、中谷が女性3人を演じる。まず9月7日よりカナダ・モントリオールで公演され、10月3日より日本凱旋公演が行われる。
中谷は同作で舞台初挑戦にして、1人3役に挑む。これまでに何度も舞台出演のオファーがあったというが「勇気がなくてお断りしてきました」という中谷だが、今回は2008年に出演した映画『シルク』の監督を務め、今回の舞台の演出を務めるフランソワ・ジラール氏から熱烈なオファーを受けて快諾した。
その理由について「原作を読んだのですが、女性のしなやかな強さに惹かれて『NO』と言うつもりが3役すべて演じたいと言ってしまいました」と明かし、カナダ公演については「外国で舞台で、半分以上のお客さんが、汚い言葉をかけながら、途中で席を立ってしまうのを見たことがあるのでトラウマになっていたんです」としつつ、「世界中が日本に注目している中で、日本人がたくましく生きていることをカナダで伝えたい」と意気込んだ。
一方、ジラール氏は『シルク』での中谷の魅力に引き込まれたといい、「スタッフが美紀さんの演技にのめり込んで、泣いた者もいた」とエピソードを披露すると、中谷は「ジラールさんは訪問販売のセールスマンをやったらNo.1になるんじゃないでしょうか(笑)。条件が悪くてもプラスに見せる力があるんです。その説得力やモチベーションの上げ方を今回の公演で学びたいですね」とジラール氏に信頼を寄せている様子だった。
舞台『猟銃』は、9月7日~10日のカナダ・モントリオール公演を経て、東京・渋谷のパルコ劇場にて10月3日~23日の期間で公演される。