俳優の阿部寛らが6日、東京・有楽町朝日ホールで行われた映画『天国からのエール』の完成披露試写会に出席した。

左から、桜庭ななみ、阿部寛、ミムラ 拡大画像を見る

『天国からのエール』は、沖縄県・本部町に実在する音楽スタジオ「あじさい音楽村」の創設者、故・仲宗根陽(なかそねひかる)さんの実話を映画化したもの。沖縄で、小さな弁当屋「あじさい弁当」と営む大城陽は、弁当を買いに来る高校生たちが、バンドの練習をする場所がないことを知り、弁当屋のガレージをスタジオにすることに。手作りしたスタジオを無料で開放し、本気で自分たちを叱ってくれる陽を、高校生たちはいつしか"ニイニイ"と呼んで、慕うようになる。しかし、陽が病に倒れて…というストーリー。撮影は、実際の「あじさい音楽村」や本部町で行われた。

舞台あいさつには、主演の阿部寛をはじめ、ミムラ、桜庭ななみ、矢野聖人、森崎ウィン、野村周平、熊澤誓人監督が出席。陽を演じた阿部は「仲宗根さんは、全力で生き抜いた方なので、責任感とプレッシャーを感じましたが、仲宗根さんの奥さんや地元の方々に支えられました。そんな雰囲気が沖縄にはあって、それに浸って演じることが出来ました。」と振り返った。妻・美智子を演じたミムラは、「阿部さんは、圧というか密度の高い人なので…。阿部さんの迫力に負けないように役づくりをしました」と、撮影中は阿部の存在感に圧倒されていたようだ。

また、劇中"ハイドランジア"というバンドを組んでいた桜庭・矢野・森崎・野村の4人。紅一点の桜庭は「今回、歌とギターがあったので、4人で練習を頑張りました。ギターで手のマメがカチカチになるのを楽しみにしていて…。4人は楽しかった!」と話し、クランクアップを迎えるのが寂しかったという。

会場には、実際に「あじさい音楽村」からメジャーデビューしたガールズバンド・ステレオポニーも登場。「映画を観て、久しぶりにニイニイに会えた気がして涙が止まらなかった。ニイニイも天国で喜んでると思う」と感慨深げで、阿部に「あじさい音楽村」から届いたメッセージボードを手渡した。最後に阿部は、「若い人たちが成長していく姿を切りとった映画。生きるヒントになるような、人の力強さと人との繋がりを感じてもらえたら」と見どころをアピールしていた。

(C)2011『天国からのエール』製作委員会

『天国からのエール』は、10月1日より新宿バルト9ほかで全国でロードショー。