"Apps Near You" Adobeが予想する未来のサービス

後半は、「将来のビジョン、アイディア」として将来モバイルで可能になるとAdobeが予想するサービス"Apps Near You"をGalaxy Tabでデモした。

Apps Near Youは位置情報とソーシャルを組み合わせ、ユーザーのコンテキストに最適なアプリケーションをプッシュ配信するもの。たとえば、美術館に入ると美術館ガイドが通知され、ユーザーが移動すると展示作品やアーティストに関する情報を手元にある端末でチェックできる。「美術館のオーディオガイドの代わりになる」とLynch氏。

便利なアプリと近くにいる友人をプッシュしてくれる

センサー技術が改善し、展示物の近くに来るとその展示物の説明が表示されるようになる。

次に、展示スペースを出て、端末上で美術館のレストランのメニューをチェックし、注文する。待っている間に、近くにいる友人とやりとりし、友人が公開しているeブックコレクションから本を借りて読んでいると、レストランから準備ができたという通知が届くというデモも披露した。また、ホテルが提供するアプリの例では、ホテルに入るとホテルが提供する映画をブラウジングしたり、自分の端末にある写真をホテルのTV画面でスライドショー表示するなどのことが考えられるという。「モバイル端末が自分の部屋にある端末のコントローラーになる」とLynch氏。

近くにある友人が公開しているアプリ、eブック、音楽を共有

友人のeブックコレクションから本を借りる。購入ボタンも用意されている

このように、アプリケーションが人や場所にアウェアになると、さまざまなサービスが考えられるとLynch氏は見る。これらのいくつかはすでに現実に可能であり、AIRやFlashで対応していくという。

Lynch氏は、モバイルのハードウェア側の動向として、1)プロセッサ、2)バッテリ寿命、3)モバイルブロードバンド、4)画面サイズ、の4つについてもまとめた。

1)のプロセッサでは、デュアルコア搭載機が登場しており、クアッドコア搭載も近い将来実現すると見る。3)のモバイルブロードバンドでは、LTEにより多くの地域で初めてモバイルが固定側のスピードを上回ることになる。「これは、コンテンツやアプリにとって大きな意味がある」とLynch氏。4)は、フィーチャーフォン、スマートフォン、タブレットとさまざまな画面サイズがあり、コンテンツプロバイダや開発者にとってはチャンスでもあるが、ターゲットが難しくなっているという。

課題は4)だ。バッテリ寿命はここ数年大きな改善がなく、「十分ではない」とLynch氏。多くの技術はSカーブを描いて進化するが、「近く大きな革新が生まれるのでは」と期待を寄せた。