ナナオは30日、LEDバックライトのIPSパネルを採用した23型ワイド液晶ディスプレイ「FORIS FS2332」を発表した。7月15日より発売する。独自の超解像技術を搭載し、動画や静止画、人肌、文字といった表示内容を自動判別し、最適な超解像処理を行う。価格はオープンで、同社の直販サイト「EIZOダイレクト」の価格は39,800円。
「FORIS FS2332」は、従来製品「FORIS FS2331」の後継モデル。独自の超解像技術「Smart Resolution」を搭載し、原画像をリアルタイムに解析して解像感を補正する。入力信号をフレームごとに解析し、ノイズ成分と"ぼやけ"成分を判別。ぼやけ成分のみに超解像処理を施すことで、ノイズが不自然に強調されてざらついた印象になってしまうことを防ぐ。
また、動画、静止画、人肌、文字など、表示する内容を自動判別して、それぞれ最適な超解像処理を行うのがポイント。例えば人肌や文字は解像感補正を控えめにして、肌が荒れて見えたり、文字の輪郭が崩れるといった弊害を防止。同時に、原画像の前景と背景も判別し、奥行き感やフォーカス感を加えた解像感の強調が可能になっている。
そのほか、画面内で動画を表示している領域を自動判別し、その領域だけに超解像処理を行う「動画領域補正」を搭載。動画領域の判定には、おおむね2~3秒かかるようにしてある(誤認識を減らすため)。背景の動きが少ない動画など、常に完璧な動画領域を判断できるわけではないが、動画の再生時/領域だけ自動的に超解像処理が有効となるため、使い勝手がいい。
主な仕様は、液晶パネルがIPS方式、光源がLEDバックライト、画面サイズが23型ワイド、解像度がフルHD対応の1,920×1,080ドット、画面がノングレア(非光沢)、最大輝度が250cd/平方メートル、コントラスト比が1,000:1(コントラスト拡張有効時は1,500:1)、視野角が水平/垂直とも178度、黒白間の応答速度が16ms、中間階調域の応答速度が6ms。最大表示色は約1677万色で、10bitのルックアップテーブルを備える。
映像入力インタフェースは、HDMI×2、DVI-D(HDCP対応)、D-Subの4系統。500mW+500mWのスピーカーを内蔵し、ステレオミニジャック×1の音声入力と、ヘッドホン出力がある(HDMI音声の入力も可能)。標準の状態で表示遅延が1フレーム以下の高速反応を実現しており、いわゆる"スルーモード"のオン/オフといった設定は不要。
スケーリング機能は、ノーマル(ドットバイドット)、拡大(アスペクト比保持)、フルスクリーンの3通りで、AV入力の場合はオーバースキャンのオン/オフやレターボックスといった設定を選べる。画面モードは、メリハリ重視のGameモード、暗部表現を重視して柔らかみのあるCinemaモード、電子書籍に適したPaperモード、sRGBモードなどを搭載。また、ナナオのカラーマッチングツール「EIZO EasyPIX」にも対応している。
スタンドでは上20度/下5度のチルトが可能。本体サイズはW549×D403×H212mm、重量は約6.2kg。