深刻な電力不足を背景に、各家庭で15%の節電目標が掲げられた今夏。エアコンや冷蔵庫の消費電力量が高いのは知られているが、じつは洗濯乾燥機の消費電力量も高いという。雨の日が続くときには、クリーニングも併用しつつ、節電を意識して洗濯する必要があるかもしれない。
洗濯機の乾燥機能を使うと、消費電力量20倍!
環境省は、今夏の"家庭でできる節電アクション"として、洗濯機の利用についても言及しており、「洗濯は、お風呂の残り湯を利用し、まとめ洗いで洗濯回数を減らす工夫を」「衣類乾燥機や洗濯機の乾燥機能の使用をできるだけ控えましょう」と呼びかけている。
それにしても、環境省が節電対策に挙げるほど、洗濯乾燥機の消費電力量は高いのだろうか? 各大手メーカーの今春の総合カタログを取り寄せ、調べてみた。その結果、洗濯時の消費電力量はおおむね100Wh以下、高いものでも170Whに対し、一部の洗濯乾燥機において、洗濯~乾燥時の消費電力量は2,000Wh前後。洗濯時の約20倍にまではね上がることがわかった。
各社の代表的な洗濯乾燥機の消費電力量
洗濯時 (ドラム式) |
洗濯~乾燥時 (ドラム式) |
洗濯時 (タテ型) |
洗濯~乾燥時 (タテ型) |
|
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A社 | 79Wh | 690Wh | 62Wh | 1,960Wh |
B社 | 64Wh | 730Wh | 69Wh | 2,250Wh |
C社 | 69Wh | 930Wh | 170Wh | 1,960Wh |
D社 | 95Wh | 1,950Wh | 90Wh | 1,750Wh |
E社 | 95Wh | 2,400Wh | 65Wh | 2,450Wh |
現在、1世帯あたりの1カ月の消費電力量は300kWh前後で推移しており、1日平均だと10kWh(10,000Wh)の電力を使用する計算になる。この数値と比べると、やはり洗濯乾燥機の約2,000Whという消費電力量は高い。
もっとも、近年は省エネを意識し、洗濯~乾燥時の消費電力量を700Wh前後にまで抑えたドラム式洗濯乾燥機も登場している。今後は節電や節水を意識した洗濯乾燥機が増える傾向にあるのかもしれない。
クリーニングも活用し、雨の日の洗濯も快適に
今夏に限って言えば、節電の観点から洗濯機の乾燥機能の使用は極力控え、天気のいい日にまとめ洗いして天日干しにするか、クリーニングに出すなどの対策が必要だろう。梅雨になると雨や汗で衣類が汚れやすく、天日干しできる日も限られてしまうだけに、クリーニングも有効活用していきたいところ。
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天候も気にせず利用でき、今夏の節電対策にも貢献しそうな「せんたく便」。使ってみる価値はありそうだ。