今年の夏の節電対策の一環として、様々な企業が夏期休暇の長期化を発表している。そこで前回は、長期休暇にぴったりの宿泊スタイルである「バケーションレンタル」について紹介した。今回は、トリップアドバイザーに投稿されている実際の口コミから、メリットの高い旅行スタイルの実例を紹介する。

欧米では普及している「バケーションレンタル」

著者紹介

トリップアドバイザー 広報 三橋竜二
新聞記者、雑誌編集者を経て、フリーのトラベルライターに。アジアや太平洋の島々を中心に旅行雑誌やガイドブックなどで執筆。
2009年より、トリップアドバイザーで広報を担当。旅の楽しさを伝えるために、日々データと格闘中。夢は「イースター島に行くこと」。

実際にトリップアドバイザーに投稿されたクチコミを見てみると……

「6月に家族でフロリダへ行ってきました。オーランドでディズニーワールド三昧したいのと、私の昔からの夢だった7マイルブリッジをドライブすることを実現することを頭に入れた計画でした。また、3人家族+家内の父親という組み合わせだったため、ホテルは毎泊2部屋必要ということになり、ディズニーワールドに1週間滞在するとなると、ホテル代金だけでも相当な出費になります。やはり少ない出費でできるだけ豪華にするため、目先を変えてバケーションレンタルを探してみました。気になるお値段ですが、我々が借りたヴィラは、1泊$90で、1週間借りると$540でした。これにクリーニング費用と税金を払って、$680程度ですから、1泊あたり$100以下と、ホテルよりは相当に安上がりでした」

バケーションレンタルは、費用面のメリットだけでなく、小さな子供や年配の両親連れなどで自炊をしたい方、現地に友人らがいて招きたい方、またピークシーズンでホテルが空いていないときなどにもおすすめです。

今から5年ほど前ですが、私自身も友人6名のグループでホノルルマラソンに参加、バケーションレンタルをしました。全員のスケジュールが確定したのが直前だったこともあり、パッケージツアーはすでに売り切れ、ホテルの空き室も3室になるなどほとんど見つからない状況でしたが、たまたま知り合いの紹介で海沿いの庭付きの一軒家を借りることができました。

普通の住宅にある設備は一通り揃っており、トレーニングに使ったウェア類を毎日洗濯できたり、マラソン前の数日は日本から持ち込んだお米やうどんなどを自炊して(鍋やお皿も完備でした)、炭水化物中心の食事をするカーボローディングもうまくいき、全員無事に完走することができたのでした。

キッチンには基本的な調理器具が揃っているだけではなく、施設によっては調味料なども置いてくれている

バケーションレンタルの探し方

バケーションレンタルは一般的な旅行会社ではほとんど扱っておらず、専用サイトなどを通じて予約をするのが一般的です。トリップアドバイザーでも、米国をはじめとする英語版のサイトにバケーションレンタルの専用ページがあり、エリアごとの口コミ人気ランキング順に、たくさんの施設を紹介しています。各施設の紹介ページでは、旅行者からの口コミの他に、様々な写真やどのような設備や備品があるのかといった詳細な情報も掲載されており、専用のフォームから予約をすることが可能です(ただし、表示や記入は英語となります)。

ただ注意が必要なのは、パッケージツアーと違い、完全に個人手配の自由旅行となりますので、日本語の話せるスタッフや、24時間対応の日本語サポートデスクなどは期待できません。このため、ある程度の英語力は必須になりますし、現地の地理や移動手段などの知識がないと、最悪の場合、借りた家の場所すらわからないといったケースもあり得ますので、土地勘のある旅先での利用がベターでしょう。ただ、叶えたいはっきりとした旅の目的やプランがあり、費用を抑えつつも優雅に過ごしたい場合など、選択肢の一つに加えてほしい宿泊スタイルといえるでしょう。