カリフォルニア州北地区サンノゼ連邦地裁のLucy Koh判事は21日(現地時間)、韓国のSamsung Electronicsが米Appleに対して次世代iPhone/iPadの製品サンプルやパッケージの証拠提出を求めた申し立てを棄却する判断を下した。
これはSamsungのスマートフォンおよびタブレット端末が露骨にApple製品を真似ているとして、4月15日にAppleがSamsungを特許権および商標権の侵害で提訴したことが発端だ。AppleはGalaxy S IIのデザインやユーザーインターフェイス、パッケージなどがiPhone 4に酷似していると指摘し、また3月に発売されたiPad 2を模倣するためにSamsungがタブレットの新製品の発売を遅らせたと主張した。さらに同月19日に、米国市場においてSamsung製品の販売差し止めを請求する可能性を明らかにし、その判断のためにSamsungのGalaxy Tab 10.1、Galaxy Tab 8.9、Galaxy S II、Infuse 4G、Droid Chargeについて最新の製品サンプル/ パッケージ/ 説明書などの証拠提出を要求した。このAppleの申し立てをサンノゼ地裁が5月18日に認めたのに対し、Samsungは2社が等しく扱われるべきだと主張。Appleに対して、次世代のiPhoneおよびiPadの最新の製品サンプルなどを提出するように求めた。AppleはSamsungの要求を拒否。重要な企業秘密を漏らさせようとする嫌がらせだと反論した。
判断を下したKoh判事は、販売差し止め請求が起こされる可能性に対して2社が平等に扱われるべきというSamsungの主張に同意したものの、今回のケースはAppleの発売済みの製品に対する侵害が争点であり、販売差し止め請求に反論するために次世代製品の情報にアクセスする必要性をSamsungが十分に示していないとした。また5月にSamsungが発売前のGalaxy Tab 10.1(米国発売は6月17日)の製品サンプル5,000台を一般に配布したのを例に、同社は積極的に情報を公開して消費者の期待を高めるマーケティングを展開していると指摘。発表や発売まで新製品の情報を可能な限り秘匿するAppleとは、次世代製品の情報を提出する負担が異なるとマーケティングの違いにも言及した。