HTCが提供するauのスマートフォン「HTC EVO WiMAX ISW11HT」の特徴は、4.3インチWVGAの大画面液晶とWiMAXの高速通信だ。この2つの特徴を生かすサービスとして今回採り上げたいのがEye-Fiだ。HTC EVO WiMAXとEye-Fiはまさにベストマッチな製品なのだ。前編ではHTC EVO WiMAXとEye-Fiの設定について紹介した。後編では、実際にHTC EVO WiMAXでEye-Fiを活用法について解説する。

HTC EVO WiMAXとEye-Fiカード

Eye-FiとHTC EVO WiMAXでカメラをより便利に

Eye-Fiアプリの設定をして、Eye-Fiを挿入したカメラで撮影をすると、撮影後すぐに画像の転送が始まる。通常ではEye-Fiは、まず周囲の無線LAN APを検索し、APがない場合にダイレクトモードを起動する。ダイレクトモードが起動されると、周囲の無線LAN機器からEye-FiのAPに接続できるようになる。

HTC EVO WiMAX側では、Eye-FiのAPが起動するとそのAPに自動的に接続しようとする。APに無事接続ができると、Eye-FiカードからEVO WiMAXに対して画像がダイレクトに転送されるという仕組みだ。

直接インターネットに画像を転送するわけではなく、近距離にあるカメラとHTC EVO WiMAX間で画像を転送するため、転送速度も速い。画像は撮影する度に連続して転送され、EVO WiMAXの画像フォルダに次々と保存されていく。

保存された画像は、標準のキャラリーのEye-Fiフォルダに保存されていくので、標準アプリを使うほか、さまざまな画像ビューワーなどでもそのまま画像を閲覧できるので便利だ。デジカメで撮影した画像を、デジカメの液晶ではなくHTC EVO WiMAXの大画面で確認できるので、ピントや露出のチェック、人に画像を見せる際にも便利なのだ。

こういう時、大画面のHTC EVO WiMAXのメリットが遺憾なく発揮される。もちろんもっと大画面のタブレットもあるが、いつでも持ち歩けるスマートフォンのサイズとしては、HTC EVO WiMAXはギリギリの大きさといってもよさそうだ。このサイズだからこそ、常に持ち歩き、ふとした瞬間に撮影した画像も大画面で閲覧できるわけだ。

HTC EVO WiMAX自体にもカメラは搭載されているし、Eye-Fiを介在しない分、より手軽ではあるのだから、そちらを使ってもいいだろう。ただ、やはりHTC EVO WiMAXのカメラに比べれば、専門のデジカメの方が高画質だし機能も豊富。特にデジタル一眼レフカメラを使っていれば、より高画質な画像を、すぐさまHTC EVO WiMAXに取り込めるのだ。

端末内に取り込んだあとは、任意の画像編集ソフトで画像を修正してもいいし、TwitterやFacebookなどのSNSへの投稿に使ってもいい。単に画像をアップロードするだけでなく、画像をさらに再活用できる、というのがダイレクトモードのメリットだ。従来ならば、デジカメ画像をPCに取り込み、そこから編集、投稿するしかなかったのに、HTC EVO WiMAXだけで画像の取り込みから編集、投稿までできてしまう。

例えばPhotoshop Expressアプリで画像を補正することもできる

画像共有アプリのpcplzアプリで、画像に効果をつけてTwitterやFacebookに投稿できる。デジタル一眼レフカメラの画像であっても、これを使えばすぐに投稿できるというのが強みだ

Eye-Fiのダイレクトモード自体はほかのスマートフォンでも利用できるが、それと比べた場合のHTC EVO WiMAXの最大のメリットが通信速度だ。WiMAXが利用できるので、上り最大10Mbpsの通信速度で画像を転送できる。

これは大きなポイントで、画像をHTC EVO WiMAXに転送し、それを修正するなどして、そのままTwitterに投稿する場合も、高速通信のHTC EVO WiMAXならば、アップロード時間も短くてすむ。Eye-Fiアプリを使うと、デジカメから転送された画像をインターネット経由で画像共有サイトやPCへ転送することも可能。この場合もアップロード速度の速いWiMAXなら、ほかのスマートフォンよりも快適に画像転送ができる。

Eye-Fiカード自体には、周囲のAPを使って画像をPCや共有サイトへ転送する機能があり、HTC EVO WiMAXのテザリングを使っていれば、端末自体に画像を転送せず、直接転送することも可能ではある。テザリング中はHTC EVO WiMAXの無線LANは利用できなくなるため、ダイレクトモードでの転送はできなくなる。しかし、いったんカードからアップロードされた画像は、ダイレクトモードが設定されている端末側にダウロードする機能がある。こちらの場合は画像が転送されるまでに多少の時間が必要だが、どちらにしてもHTC EVO WiMAXで画像を管理することも可能だ。Eye-Fi側の問題のせいか、HTC EVO WiMAXに画像が転送されない場合があったり、うまくダイレクトモードが動作しなかったりと、少々不安定の部分があるのは気になるところだが、成功した場合の快適さはほかにない部分だ。

本稿で紹介した通り、HTC EVO WiMAXとEye-Fiカードの相性はいい。容量の画像を転送するEye-Fiでは、カメラの側の電力を使って通信を行うため、より速く転送が終わった方がバッテリーにも優しい。その意味でも、より高速で画像転送できるダイレクトモードの方が、メリットが大きい。しかも高速通信のWiMAXであれば、画像をインターネットに転送する速度も速い。加えて、大画面で画像を快適に閲覧できることも重要。Eye-FiとHTC EVO WiMAXはベストマッチの製品といってもいいだろう。