Appleは21日、同社のプロ用ビデオ編集ソフトの最新バージョンとなる「Final Cut Pro X」の販売を開始した。価格は35,000円で、パッケージ版は用意されずMac App Storeでの販売となる。モーショングラフィックスツール「Motion 5」とメディアエンコーディングツール「Compressor 4」も同時に発売されており、こちらの価格はそれぞれ5,800円。
「Final Cut Pro X」は、4月に米国で開催された映像機器展「NAB Show 2011」にてすでに発表されていたもの。マグネティックタイムライン、コンテンツの自動解析、バックグラウンドレンダリングなどの新機能を搭載。64ビットアーキテクチャで作り直されており、同社ワールドワイドプロダクトマーケティング担当バイスプレジデントのフィリップ・シラー氏はニュースリリースの中で「Final Cut Pro Xは、プロ用ビデオ編集の業界において、最初のFinal Cut Pro以来最大の進化と言えます」と述べている。
マグネティックタイムラインは、撮影した場面をトラックレスのキャンバスで編集できる仕組み。好きな場所にクリップを挿入したり入れ替えたりすることができ、メインのクリップをタイトルやサウンドエフェクトなどの要素にリンクさせることが可能。関連付けられた要素は複合クリップに統合して、1つのクリップとして編集することもできる。新機能のオーディション機能を使って、さまざまなクリップを入れ替えながら別のテイクと比較することもできる。
コンテンツの自動解析は、読み込む際にメディアをスキャンし、有用な情報をコンテンツにタグ付けするもの。その情報でクリップは動的に整理され、スマートコレクションが作成される。タグ付けされる情報は、メディアタイプやショット中の人数など。自分のメディアにカスタム検索のための条件を追加することもできる。また、64ビットアプリケーションとして作り直されており、マルチスレッドプロセッシングとGPUを利用して高速バックグラウンドレンダリングと優れたリアルタイム再生を実現した。