先日、初のAPUとなる「Llano」ベースのAシリーズプロセッサが発表され、GPUをプロセッサと同一ダイに封入したSandy Bridgeと合わせ、GPU技術をいかにPCコンピューティングの世界に取り込んでくるかについて改めて注目が集まっている。現在のところ、GPUテクノロジーの面では後塵を拝しているIntelだが、AMDによれば「同社がNVIDIAを買収することは今後もないだろう」と予測している。

同件を報じているのはThe Inquirerだ。Inquirerは米Advanced Micro Devices (AMD)の製品プラットフォームマーケティング部門担当バイスプレジデントのLeslie Sobon氏との独占インタビューの中で、AMD側のこうした予測を引き出している。Sobon氏によれば、AMDのAシリーズとIntelのSandy Bridgeでは同じGPU統合プロセッサであってもアプローチは全く異なり、Sandy Bridgeが従来のプロセッサコアに半導体の多くを割いているのに対し、AシリーズではGPU側の比重を高めている点を強調している。今後OpenCLのような技術が広まることで、こうした両者の距離はより離れていくことになるという。結果として、Intelは今後もディスクリートGPU並みの処理パワーを得ることはできず、これは同社によるNVIDIAの買収をもってしか成し得ないと断言する。

だが一方で、Sobon氏はこのIntelによるNVIDIA買収は起こりえないと断言する。その理由は不明だが、諸所の要因でこれが今後も成功することはないと考えているようだ。AMDがATIを買収した理由としては「GPUのIPを獲得すること」がすべてであり、「これは一朝一夕でできるものではない」という。Sobon氏は「(Intelの) Larrabeeでの失敗をみれば明らかだろう」と加え、これはIntelにとっても同様だというのだ。