カナダのResearch In Motion(RIM)は6月16日(現地時間)、同社会計年度で2012年第1四半期(2011年3-5月期)の決算報告を行った。同四半期の売上は49億1000万米ドルで前年同期比16%のアップ、純利益は6億9500万米ドルで10%のダウンとなった。海外事業が好調で売上を伸ばす一方、北米市場での端末販売減少やハイエンドモデルの出荷が頭打ちだったことが影響して利益率が減少している。

RIMによれば、同四半期のBlackBerryスマートフォンの出荷台数はおよそ1320万台で、同時期の4月に販売か開始されたばかりのBlackBerry PlayBookの北米における出荷台数は約50万台だった。2011年第1四半期のBlackBerry出荷台数が1120万台、年末商戦をまたぐ第4四半期の出荷台数が1490万台だったことを考えれば順調に台数が伸び続けていることがわかる。だがWall Street Journalによれば、これまで連続した四半期ベースで必ず出荷台数を伸ばしてきたBlackBerryが減少に転じるのは2005年以来初のケースで、これがBlackBerry普及の頭打ちと市場で受け止められたのか、16日のNASDAQ終了後の時間外取引で終値35.33米ドルから約15%の大幅下落となる水準でRIM株式の取引が進んでいる。前述のように海外販売が比較的好調な一方で、北米市場ではiPhoneやAndroid端末との競合で苦戦を強いられつつある。WSJが発表したもう1つのレポートによれば、特にハイエンドモデルでの販売苦戦が目立つようだ。特に現在のRIMは売上の78%をBlackBerryなどのハードウェア販売に頼っており、こうした端末シェアの行方がそのまま業績へと直結する。

共同CEOのJim Balsillie氏は新製品リリースの遅れが業績を圧迫していると指摘しており、こうした傾向は次の四半期にも影響を及ぼすとした。こうした経緯を受け、RIMでは第2四半期ならびに2012年通年での業績予測を下方修正しており、さらに人員削減を含むリストラ策を発表している。