英Imagination Technologiesは14日 (現地時間)、同社が開発する「POWERVR (PowerVR)」シリーズの次世代GPUアーキテクチャ「POWERVR Series6」(コードネーム: Rogue)について、主要パートナー6社とライセンス契約を結んだことを発表した。
Imaginationの現行のGPUアーキテクチャ、PowerVR SGX Series5および同Series5XTは数多くのモバイルデバイス向けアプリケーションプロセッサに採用されている。例えば、AppleのA4プロセッサはPowerVR SGX535コア 、A5プロセッサは同SGX543MP2コアを用いている。2011年末に登場する予定のPlayStation VitaのGPUはSGX543MP4+である。
Imaginationがこの日に明かしたSeries6のパートナーは、ライセンス契約を交わした6社のうちST-Ericsson、Texas Instruments、MediaTekの3社のみ。米国での報道ではAppleの名前がないことに注目が集まっているが、同社はImaginationに出資するなど、長期的な視野でImaginationとパートナー関係を構築してきており、明らかになっていない3社の一つであるという見方が大勢だ。それが事実であれば、2012年に登場するiOSデバイス製品に、Series6ベースのグラフィックス機能を備えたチップが採用される可能性がある。
ImaginationはSeries6について「全てのAPIに対して、mm2単位やmW単位で抜きんでたGFLOPSを提供する」としているのみで、詳細を語るのを戦略的に避けている。ST-Ericssonによると、Series6を採用する同社のNova A9600のグラフィックスパフォーマンスは、現行世代のU8500プラットフォームの20倍以上になる。レンダリング性能は3億5000万ポリゴン/秒以上で、50億ピクセル以上のビジブル・フィルレートを実現するという。エフェクティブ・フィルレートは130億ピクセル/秒を超える。