こんにちは。一日3時間をニコニコ動画に費やすダメ社会人、山田井ユウキです。

今日もさっそく最近流行の動画や埋もれている良動画を独断と偏見で皆さんに紹介していこうと思います。選ぶ基準はただ一つ、僕の趣味です!

ということで今回ご紹介する動画は「ストップモーション」と呼ばれるもの。これは一言で説明すると「コマ撮り」のことで、写真を何十枚も撮影してそれをつなげることで動画にしていくのです。クレイアニメとかでよく用いられていますよね。

聞くからにめんどくさそうなこのストップモーションで制作された動画には、とてもコマ撮りは思えないほど完成度の高い作品がたくさんあります。ニコニコ動画に投稿された作品の中から、個人的に驚いたものをご紹介していきましょう。

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まずはストップモーションの世界を堪能していただくためにも、こちらの動画をご紹介したいと思います。TV番組でも流れたのでご存じの方も多いでしょう。とある学校の文化祭のために制作されたという作品で、マリオが学校内を縦横無尽に走り回ります。

付箋を画用紙に貼って再現されたというドット絵のマリオ自体も素晴らしい出来で、これだけでも文化祭の出し物になりそうですが、さらにすごいのは黒板だとか階段だとか保健室だとか、そういった学校内の施設をうまくマリオのステージに見立てていること。

こういった"現実世界をうまく使った演出"こそが、ストップモーションならではの演出であり、技術やセンスが問われるところです。

続いて、こちらもやはり学校の文化祭で作ったという作品。学校内を舞台に物語が展開していくところはマリオと同じですが、違うのは人間が主役であるということ。また、ストーリーもそれに合わせてきちんと作られており、現実には不可能な演出をフルに活用しているところも、ストップモーションの特性をよくわかっていてすばらしい。これだけの作品を企画し、実際に完成させるというのは並大抵のことではありません。

今回、ストップモーション動画の記事を書こうと思ったきっかけになった動画がこちら。台湾のファイナルファンタジーファンによって制作された作品で、FF7のフィギュアを使用してハイレベルなストップモーションを見せてくれます。特にすごいのはバトルシーンで、いったいどれだけの時間と労力をかけて出来上がったものなのか……考えるだけでその努力には頭が下がります。

カメラワークや演出、音楽や台詞の合わせなど、すべてのセンスと技術が高いレベルで融合した究極のストップモーション。FFファンならずともぜひご覧いただきたい逸品です。

打って変わって何だかちょっと気味の悪い、でも癖になる独特のストップモーションをご紹介します。海外のアーティストによる作品で、建物や壁を利用したかなり大がかりな作品となっています。その独自のセンスで描かれる世界観は、不気味ながらもどこか不思議な魅力があり、多くのニコニコユーザーを引き付けている様子。こういうセンスは真似しようと思ってもできるものではないですね……。

さて、また室内に戻り、今度は付箋オンリーで制作されたアイデア作品をご紹介しましょう。何もない壁をキャンパス代わりにして付箋で様々な模様やイラストを描いていくこの動画は、もう見るだけで気の遠くなるような作業量であることがわかる超力作。基本的にカメラは定点ですが、次々変化する風景のおかげで最後まで飽きることなく見られます。「次は何が描かれるのか?」そんなワクワク感をたっぷりと味わえますよ。

最後も海外から。転載後の動画タイトルの「地味な作業」とはつまりストップモーションのこと。ストップモーションならではの驚きに満ちあふれた5分間をお楽しみください。

とにかく手間もかかるしセンスも問われるストップモーションは、CGやMAD等とはまた違った難しさがあり、それだけにニコニコ動画への投稿数も少なめ。また、その多くが海外作品の転載だったりもします。

しかしあまり高度なことを最初からやろうとしなければ、写真を撮ってそれを編集するという作業自体の敷居は決して高くはありません。興味を持たれた方はまずは気軽にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。

勝手エヴァンジェリスト・山田井ユウキ

1980年生まれ。レビューサイト「カフェオレ・ライター」で、映画、漫画、ゲームなどを独自視点からレビューする他、「builder by ZDNet Japan」「ハリウッドチャンネル」など各種媒体で記事を連載中。どんなに忙しくても一日数時間ニコニコ動画に費やすという、社会人としてあるまじき生活を謳歌中。好きな動画ジャンルはゲーム実況、ボカロ、他エンタメ系全般。

(タイトルイラスト:3P3P) ※本コラムで紹介している動画は、作者やサイトなどの都合により削除されることもあります。あらかじめご了承ください。