情報通信研究機構は音声対話処理技術を使って京都観光をサポートするiPhoneアプリ「AssisTra(アシストラ)」と、基本的な敬語を学習するためのiPhoneアプリ「KeigoRyoku」の提供を開始を公開した。ダウンロードはいずれも無料。 また、アプリの提供にあわせて、同機構が展開する技術提供のプランを明らかにした。
「AssisTra」は、同機構の開発する音声対話処理技術を応用し、京都の観光スポットを音声などで案内してくれるというもの。アプリのキャラクター「京野はんな」と対話する形で音声入力を行うと、観光情報を音声や文字で案内してくれる。地図はGoogleマップを、レストランの情報はぐるなびのサービスをそれぞれ利用している。 本アプリは、外部サーバから情報を引き出してガイドを行っているので、利用には3GまたはWi-Fiでの通信環境が必要となる。音声入力とは別に、文字入力またはメニューによる検索機能「KyoTra」も搭載。神社仏閣など、約2,900件の京都の主要観光スポットをテキストで表示し、日・英・中・韓の4カ国語に対応する。音声入力による検索と「KyoTra」はそれぞれ別々なデータベースを使用しており、「KyoTra」環境では音声入力に対応しない。また、地図にメモや写真を貼り付ける機能「TraMemo」という機能も搭載する。
「KeigoRyoku」は、同機構の開発する自然言語処理技術を応用して、ゲーム形式で基本的な敬語を学習できるというもの。日本語を学習中の外国人など、敬語初級者をターゲットにしているという。アプリには「択一式クイズ」「記述式クイズ」「学習モード」という3種類のモードが用意されている。回答の正解、不正解の判定は外部のサーバーを経由して行われるので、こちらも使用に際してはネットワークへの接続が必須となる。
同機構では昨年より「VoiceTra(ボイストラ)」というエンドユーザー向けの音声認識翻訳アプリの提供を無償で開始している。アプリを公開し、多くのユーザーに認知されることで、技術の有用性を測ってもらうことができるようになるという。そこで興味を持った企業などに対し、SDKや試用サーバーを無償で提供し、ひいては有償で知財を含むソフトウェアのライセンス供与をしていきたいとしている。