ASUSTeK Computerは6月10日、都内で「Eee Padフォーラム」を開催し、液晶タブレット部分とキーボード部分の着脱機構を採用したAndroid 3.0搭載10.1型タブレット「Eee Pad Transformer TF101」の実機を公開。すでに発表済みの製品だが、発売日が6月25日、価格が59,800円と正式に決定した。Eee Pad Transformer TF101のスペックなどの概要は、別記事「ASUS、キーボード装着でノート形状にできるAndroid 3.0搭載10.1型タブレット」を参照いただきたい。
液晶タブレット部分とキーボード部分が分離する「Eee Pad Transformer TF 101」(写真左)。両者を合体させると、一般的なクラムシェル型のノートPCとまったく同じスタイル(写真中央)。Eee Pad Transformer TF 101のキーボード部分(写真右)。基本的なキー配列もノートPCと同じだが、最上段はファンクションキーではなくショートカットキーになっている |
あなたの要望に、ほぼ、応えられるでしょう。
はじめに"Eee"ブランドとEee Pad Transformer TF101(以下、TF101)を解説したのは、アスース・ジャパンのマーケティング部マーケティングマネージャー、シンシア・テン氏。Eeeブランドは「Easy」「Excellent」「Exciting」がキーワードであり、ユーザーが簡単に使えて、性能に優れ、楽しい体験を提供するとした。このブランド戦略には若干の変更が加えられ、今後はクラウドコンピューティングに軸足を置き、"最もよいクラウドコンピューティングデバイス"という方向性が示された。
今回の主役であるTF101は、ユーザーからの多彩な要望がきっかけとなって生まれたという。具体的には、Flash対応、USBポート/カードリーダーの装備、本物のキーボード、長時間のバッテリ駆動、傷に強い液晶ディスプレイ、もっときれいな写真が撮りたい…などだ。
TF101は液晶タブレット部分とキーボード部分の着脱機構が目を引くが、上記のユーザー要望をほとんど実現している。液晶タブレット部分とキーボード部分の両方にバッテリを搭載することで16時間のバッテリ駆動時間を実現したほか(液晶タブレット部分だけの場合は約9.5時間)、視野角178度のIPS液晶ディスプレイにはサファイアと同等のモース硬度「9」を持つゴリラガラスを採用した。内蔵カメラは本体の表と裏に搭載し、いわゆる"自分撮り"やビデオチャットに使える液晶ディスプレイ側は120万画素、裏側のメインカメラは500万画素だ。
そのほか、NVIDIAのモバイルスーパーチップ「Tegra 2」による高いパフォーマンスもアピール。HD動画の再生やFlashゲームのプレイなども、スムーズに行えるとした。TF101の搭載OSはAndroid 3.0だが、Android 3.1へのアップデートも近々に実施されるとのことだ。
加えて、クラウドサービス/インタフェースとして「MyCloud」を提供。オンラインコンテンツの配信サービスである「@Video」、WindowsベースのPCをリモートコントロールする「MyDesktop」、DLNAサーバー/クライアント機能でメディアファイルの配信や共有を行う「MyNet」などを、TF101のGUIで簡単に利用できるようになっている。
TF101の特徴が一通り紹介されたあと、プレゼンテーションスライドとシンシア・テン氏が「あなたの要望に、ほぼ、応えられるでしょう」と語ると、詰めかけた報道陣から笑いが漏れ、和やかな雰囲気が広がった。自賛が過ぎることなく、あえて(?)「ほぼ」と表現したことには、筆者としても好感と親しみを持った。
また、エヌビディア ジャパンのコンテンツ&テクノロジ事業本部コンテンツマネージャ、平柳太一氏も登壇し、Tegra 2に最適化された高品質なゲームグラフィックスの紹介や、実際のゲームを使ったデモなどを行った。Tegra 2ではグラフィックが高品質なだけでなく、マルチコアの高い処理能力を生かして、例えばチェスゲームで世界トップレベルのAIを実現しているという。
エヌビディア ジャパンのコンテンツ&テクノロジ事業本部コンテンツマネージャ、平柳太一。1円玉より小さいというTegra 2の実物を披露 |
Tegra 2最適化の有無を比較したゲームグラフィックスの例。細かいディティールと高品質なテクスチャ、シェーディングとライティングでリアルなキャラクターを描く |
日本での発売が待たれる「Padfone」と「Eee Pad Slider」も展示
会場のタッチ&トライスペースには、TF101のほかにも、先日のCOMPUTEX TAIPEIで披露された「Padfone」と「Eee Pad Slider」が展示されていた。どちらもモックアップの状態で日本発売も未定とのことだが、正式な発表が期待される。