なぜ、コマンドでの操作が必要なのか?

GUIでの操作を志向するのではなく、コマンドでの操作を必須としたのはなぜでしょうか? 自分はWindows Azureがクラウドなサービスだからと考えています。

理由は以下のとおりです。

Windows Azureでは、全ての操作がロードバランサー経由で振り分けられて各インスタンスに分散することで処理性能を向上させています。Windows Azureが伸縮自在であると言われているのは、このインスタンスが容易に増減できるからです。

クラウドなサービスの特徴として、インターネット経由でアクセスして、伸縮自在に素早くスケールアウトしてサービスが提供できる点があります。Windows Azureの場合には、インターネット経由でコマンドを発行するだけで容易にインスタンスを増減できますので、この点で合致します。ですが、この時にGUIの操作が介入したのでは時間がかかってしまいます。また、もし突然のインスタンスダウンの場合にはオペレーターが気づくまで復旧できないので大問題です。加えて、Windows Azureの場合には突然のインスタンスダウンの場合に自動的に再起動する機能があります。この機能もサービスが復元できないので意味がなくなります。

この問題の回答であるのがスタートアップタスクなのです。スタートアップタスクを使用することで同じ設定を自動的に複製することができ、インスタンスが再起動した際もそのままサービスを復旧することができます。素早く伸縮自在に動作させるならばコマンド操作は必須条件で、クラウドを志向するが故にスクリプトでのコマンド操作が必須になったのだと考えます。

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Windows Azureはこれまで見てきたようにWindows Server 2008 および 2008 R2がベースとなっているので、オンプレミスな環境もクライドの環境も区別することなく、同じコマンドで管理できます。その上で、Windows Azureを使用することでクラウドの特性を追加できます。

もちろん、データの管理など、Windows Azure固有の問題もあるのは注意しなければならないのですが、大きな問題ではありません。

前回と今回の例では特にスタートアップとリモートデスクトップ接続にポイントを当てて体験してきましたが皆様はどう感じましたでしょうか? Windows Azureはクラウドという今までとは全く違う新しい環境ではなく、これまでのWindows Serverの知識を活かして取り組める新しい環境だと感じたはずです。

また、筆者はリモートデスクトップ接続などの機能が解禁されて以降、Windows Serverでちょっとしたことを確認する際に、Windows Azureを使用したりしています。簡単に環境を壊せてすぐに復元できるからです。しかも手元にインストール済みのマシンが必要ありません。

是非、皆さんも実際にこの新しいWindows Azureという製品を使ってこれから一緒に楽しんでいきましょう。