三陽商会はこのほど、「紳士服・婦人服クールビズスタイル」プレス向け展示会を開催した。家庭で水洗いできる「ウォータークリーンリネン」や、吸水速乾素材「クールマックス」を用いたシャツなどが展示された。
環境省が「スーパークールビズ」を提唱し、1日にはキックオフ・イベントを開催。その前日にはユニクロも発表会を行うなど、今夏のファッション業界は「スーパークールビズ」が重要なキーワードになっている。
だが一方で、「会社の方針」「業界の慣習」「顧客・得意先の目が気になる」などを理由に、「スーパークールビズ」の導入をためらう人も多く、実際にそれを示した調査結果も発表されている。
こうした現状に、「たとえ『カジュアルダウンしていい』と言われても、社内の事情でできないところもあるし、年配に限らず若い方でも、『あんな格好で会社に行くのは嫌だ』という人もいるでしょう」と三陽商会。コートやジャケットを中心に商品展開する同社の強みを生かし、「ある程度の上品さを保った、"カジュアルダウンしすぎないスタイリング"を提案したい。ファッション性は維持しつつ、素材に関しては暑さ対策の機能をプラスしていきたい」とコメントしている。
今夏、家庭で水洗いできる麻のウエア「ウォータークリーンリネン」を、同社が展開する3ブランドに導入する。エポカ ウォモのジャケットはカジュアルなボトムスとも合わせやすい商品に。ポール スチュアートのジャケットは1枚仕立てのサマーブレザーに仕上がった。マッキントッシュ フィロソフィーでは、麻に「クールマックス」もブレンドし、より清涼感を追及したジャケットを販売する。
「クールマックス」は吸水速乾機能を持つポリエステル素材で、ポリエステルながら綿のような見た目と肌触りが特徴。汗をかいても乾きやすく、洗濯後もしわになりにくい。この素材を用いた商品として、これまでマッキントッシュ フィロソフィーから、「トロッターシャツ」(長袖)が販売されていた。
今夏は節電対策として、「クールマックス」の採用ブランドを拡大し、半袖シャツも発売されることに。エポカ ウォモからは、隠しボタン仕様のデザインとなったボタンダウンシャツが、ポール・スチュアートからは無地とロンドンストライプの半袖ボタンダウンシャツが登場する。
クールマックス混ジャージー素材を使用したマッキントッシュ フィロソフィーのジャケット。汗によるべたつきを防ぐため、裏地にはメッシュ素材を採用している |
マッキントッシュ フィロソフィーから発売中のフレーバー付きポロシャツ |
マッキントッシュ フィロソフィーは、「クールマックス」を使った商品をさらに充実させ、新たに半袖ボタンダウンシャツを発売。さらにクールマックス混ジャージー素材のジャケットも登場する。汗によるべたつきを避けるため、裏地には接触冷感のメッシュ素材を採用した。
同ブランドからは、フレーバー付きポロシャツも販売中だ。繊維に付着したカプセルからほのかにラベンダーの香りが漂い、10回洗濯するまで香りが持続するとのこと。ボーダーとシャドーボーダーの2型を展開する。
見た目はドレスシューズ、履き心地はスニーカーという三陽山長「ドレススニーカー」。震災直後、帰宅困難になり紳士靴のまま歩いて帰ったという人も多かっただけに、同商品のような長距離の歩行にも適したアイテムも必要になるかもしれない |
その他、会場には前回の展示会でも紹介された「スウェットガードポロ」や、三陽山長が展開する「ドレススニーカー」なども展示されていた。