台湾TUL(PowerColor)は一般向けの展示フロアにブースは用意していないが、カンファレンスルームを1室使って取引先やメディアに製品を紹介している。その中でも注目なのは、Radeon HD 6970を2個搭載したデュアルGPUのグラフィックスカード。
HD 6970のデュアルGPUカード
Radeon 9000番台のデュアルGPUカードとしては、すでにRadeon HD 6990もあるが、このHD 6990は消費電力の問題から動作クロックを落としており、性能的にはHD 6970×2個になっていない。PowerColorのカードはクロックが880MHz/1375MHz(コア/メモリ)のままであり、"真のハイエンド"と言うことができるだろう。
発熱対策として、かなり大きなVGAクーラーを搭載しているのが目を引く。ファンは2つ搭載されており、より熱が集まる右側は12cmファン、左側は10cmファンになっている。
ただし消費電力が大きく、補助電源が8ピン×3個になってしまっていることから、実際に製品として市場に出すかどうかは検討しているところだという。製品の開発自体は終わっており、実機による動作デモも披露されていたが、「買ってもらえないだろう」という結論になればこのままお蔵入りになる可能性もある。
一方、HD 6870をデュアル搭載するモデルもあり、こちらは製品化が決まっている。同社のテストによれば、GeForce GTX 580よりも性能が良く、なおかつ価格も安い(店頭価格は449ドル程度)として、コストパフォーマンスの高さをアピールしていた。出荷開始は6月末の予定。
HD 6870のEyefinity 6 Edition?
これまで、6画面出力の「Eyefinity 6 Edition」はRadeon HD 5870にしかなかったが、同社は独自にHD 6870をEyefinity 6 Edition化、6000番台での6画面出力が可能になった。メモリは2GB GDDR5を搭載し、グラフィックス出力はMini DisplayPortが6つ用意されている。
HD 6850のファンレス/1スロット版
同社からはすでにRadeon HD 5750のファンレス版が発売されているが、新たにHD 6850のファンレスモデルを開発した。ヒートパイプは5本使用、VGAクーラーがさらに巨大になっているが、動作クロックは定格のままで、特に落としてはいないそうだ。こちらのモデルはまもなく店頭に並ぶ見通し。
またHD 6850ではもう1つ、シングルスロット版も登場しており、こちらも注目だ。
水冷のHD 6990のデモも
Radeon HD 6990の水冷バージョンも展示。動作デモが披露されていたが、GPU温度は50℃程度という、高い冷却性能を実現しているそうだ。