日立アプライアンスは2日、縦型洗濯乾燥機/全自動洗濯機「ビートウォッシュ」の新モデル5機種「BW-D9MV」「BW-D8MV」「BW-9MV」「BW-8MV」「BW-7MV」を発表した。発売は6月25日。価格はオープンで、市場価格はBW-D9MVが21万円前後、BW-D8MVが17万円前後、BW-9MVが11万円前後、BW-8MVが10万円前後、BW-7MVが9万円前後と予想される。
BW-D9MV/D8MVは洗濯乾燥機で、BW-9MV/8MV/7MVは、簡易乾燥機能を装備した全自動洗濯機。それぞれの型番に付けられている数字が、洗濯容量となる。
新モデルの最大の特徴となっているのが「自動おそうじ機能」の搭載。洗濯機を使い続けていると、洗濯槽の内側やパルセーターの裏側などに黒カビが発生することがある。従来、同社の洗濯機では「槽洗浄コース」という専用のコースで、この黒カビを取り除いていた。しかし、槽洗浄コースには、槽洗浄専用の洗剤が必要な上、3~11時間という長時間が必要になるなど、なかなかめんどうだった。同社では、1か月に1度程度の槽洗浄を薦めているが、実際には、約8%程度のユーザーしか、このスパンでの槽洗浄を実施していなかったという。新機能の自動おそうじは、洗濯槽に付着した黒カビを取り除くためのものではなく、カビの栄養源になる皮脂や洗剤カスなどを、毎回使用する度に洗い流すことで、カビの繁殖を抑えるというもの。実際の動作は脱水中に行われ、洗濯槽の上部に設けられた28個の孔から水道水のシャワーを振りかけ、さらに洗濯槽とビートウイングを回転させることで、ビートウイングの裏側と洗濯槽の底部分も洗浄するというもの。この機能は、洗濯乾燥機のBW-D9MV/D8MVにのみ搭載されている。
ビートウォシュシリーズでは、通常の縦型洗濯機のように、水をためて洗濯を行うこともできるが、ドラム型洗濯機のように、洗濯物に水を振りかけながら洗濯を行うことも可能だ。もちろん、後者の方が使用する水の量は少なくなる。さらに、洗濯乾燥機のBW-D9MVでは、従来機BW-D9LV同様、縦型洗濯機としては唯一、水循環ポンプを採用。9kgの洗濯物をを標準コースで洗濯した場合の水使用量は72L。ドラム型洗濯機なみの水使用量を実現している。従来機で採用されていた「eco水センサー」も改良。従来は、水の硬度、布質、洗濯物の量、水温を検知し、おもに洗濯時の使用水量や運転時間をコントロールしていた。新モデルでは、新たに電導度センサーを設置。センサーによって、すすぎの際の水の汚れ具合、脱水の進行具合を計ることで、すすぎ/脱水の行程で使用する水の量や運転時間を減らすことが可能になった。同社によると、1回あたりのランニングコストが約9%低減できるとしている。eco水センサーは、選択乾燥機のBW-D9MV/D9MVと、全自動洗濯機のBW-9MVに採用されている。全自動洗濯機へのeco水センサーの採用は今回が初。洗濯時の標準使用水量は、BW-D9MVが72L、BW-D8MVが97L、BW-9MVが114L、BW-8MVが97L、BW-7MVが95L。洗濯~乾燥時の標準使用水量は、BW-D9MVが93Lで、BW-D8MVが125L。また洗濯時の消費電力量は、BW-D9MVが170Wh、BW-D8MVが69Wh、BW-9MVが75Wh、BW-8MVが74Wh、BW-7MVが73Whとなっている。BW-D9MVの消費電力が大きいのは、より少ない水でビートウイングを動作させるのに、大きなトルクが必要になるため。電気代よりも水道料金の方が、実際の運用では大きくなるため、ランニングコストはこちらの方が低くなるとのことだ。
さらに、脱水時の仕上がりを調整する「脱水/乾き具合ボタン」も新搭載された。ビートウォッシュシリーズでは、通常の脱水の際には、洗濯槽は約900rpmで回転する。しかし、衣類によっては、脱水じわが気になる素材を使用している場合もある。そのような場合には、脱水具合を弱めに設定することで(回転数は700rpm)、ソフトな仕上がりとすることが可能だ。また、部屋干しを行う場合には、干す時間を短縮するために、より水分を取り除きたい。そのような場合には、「部屋干し しっかり」を選択することで、1100rpmの高速回転で、よリ多くの水分を取り除くことが可能だ。