台湾VIA Technologiesのブースで注目したいのは、何といっても今月発表されたばかりの4コアCPU「VIA QuadCore」だ。4コアながら消費電力が小さいのが特徴で、ブースではファンレス動作のデモンストレーションを行っていた。
4コアでもファンレスが可能
この「VIA QuadCore」は同社初の4コアCPU。2コアCPU「Nano X2」のダイを2つ搭載することで4コア化しており、コアのアーキテクチャ自体は従来の「Isaiah」から変わっていない。同社独自のハードウェア暗号化技術「PadLock」なども利用可能だ。製造プロセスはTSMCの40nmプロセス。ブースの担当者によれば、今後32nmプロセスへの移行を予定しているそうだ。
ラインナップは、動作クロックが「1.2+GHz」(TDP 27.5W)と「1.0+GHz」(同 18W)の2種類。数字のあとの「+」は、オーバークロック機能を表しており、CPU温度が許容範囲内ならそれぞれ1.46GHz、1.2GHzまで動作クロックが自動的に向上する。今回、ファンレスで動いていたのは下位モデルの1.0+GHzの方だったが、ヒートシンクを触ってみても「熱い」というほどではなく「暖かい」程度だった。
量産開始は今年8月を予定しているとのこと。気になるのは搭載製品だが、ブースには中国QuadSine製のオールインワンPC「Q215C1」と中国Taiji製の大型ノートPC「N17WA」が展示されていた。日本メーカーの採用は未定だが、ブース担当者によれば「すでに何社かと話はしている」段階とのことだ。
ちなみにこの「QuadCore」という名称も、あまりにそのまま過ぎて個人的にはどうかと思うのだが、担当者に「なんで"Nano X4"じゃないんだ?」と聞いたところ、「プロダクトマネージャが名前を決めたんだけど、理由までは知らない」とのことで、結局これについてはナゾのまま。
EPIAもついにデュアルコア化
マザーボードのコーナーには、デュアルコアのNano X2を搭載したMini-ITXの新モデル「EPIA-M900」が展示されていた。チップセットは従来通りの「VX900」だが、デュアルコアCPUを搭載したEPIAマザーボードはこれが初めて。基板上にはVIA製のUSB 3.0コントローラ「VL801」が搭載されており、USB 3.0ポートも2ポート用意した。
デュアルS3で8画面出力も
組み込み向けの製品ではあるが、グラフィックスカードで面白かったのが「uH8」。S3のDX10.1世代GPU「Chrome 5400EW」を2個搭載することで最大8画面までの出力に対応させた製品で、ブースではこの製品を2枚使ったという9画面のデモを披露していた。