JR東海は30日、東海道・山陽新幹線向けに「N700A」電車を投入すると発表した。N700系電車の改良版で、Aは「Advanced」を意味する。車両形式はN700系1000番代という。ブレーキを強力なタイプとし、台車の異常を検知するシステムで安全性を高めるほか、定速走行装置によって運行速度を安定させるとのこと。
N700Aの投入は「安全安定輸送の向上」と「新幹線の省エネルギー」が目的とのこと。安全安定輸送のために、N700系以降に開発された技術「中央締結ブレーキディスク」「台車振動検知システム」「定速走行装置」を搭載する。
「中央締結ブレーキディスク」は、ディスクブレーキのボルト固定位置を均等に配置して、強いブレーキ力に対応したという。「台車振動検知システム」は、台車に振動センサーを搭載して常時監視し、他の台車とは異なる挙動の発生を検知すると、故障と判断して運転台に表示させる仕組み。定速走行装置は、加速と減速を適正化し、ATC(自動列車制御装置)によって車内に表示された指定速度を維持する仕組みとのこと。
定速走行装置はATCの指示速度を維持する。自動車のオートクルーズ装置に似た働き |
なお、N700AはN700系と同じ省エネルギー性能を持つ。300系に対して25%、700系に対して19%の消費電力を節約できるため、新幹線全体の省エネルギー化を実現できるという。
N700Aは2012年度に6編成、2013年度に7編成を製造する予定。JR東海の新幹線車両は約7割がN700系列になるという。