以前に、Lenovo本社のシニア・バイスプレジデントで、マーケティングを統括するDavid Roman氏とのインタビューの模様をお伝えした際にも少し予告したが、今回、レノボ・ジャパンの代表取締役社長であるロードリック・ラピン氏にお話を伺うことができた。NECとの協業のこと、ThinkPadをはじめとする同社製品の今後の展開などを聞くことができたので、その模様をお届けしたい。

レノボ・ジャパンの代表取締役社長であるロードリック・ラピン氏にお話を伺うことができた

なお、本稿は編集部の都合で当初掲載予定より1カ月ほど遅れての掲載となってしまっている。そのため、契約締結の進捗など、本文中の一部内容が、現在ではもう少し進んだ状況になっている可能性もあることをご了承いただきたい。

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--- まずはNECとの提携に基づく合弁会社「Lenovo NEC Holdings」について伺いたいのですが、概要で、どういった状況で、どう進んでいるのですか?

ラピン氏: NECとの提携は、最初にひろく皆さんに正式発表を行ったのが今年の1月27日だったのですが、その後に、現在は、日本におけるコンシューマと法人ビジネスをするにあたって、日本の公正取引委員会府と認可の手続きを行っているところです。私たちは、今回の提携により、特に日本のコンシューマユーザーに対し、よりすばらしい付加価値を提供できると確信していますが、まずは、きちんとした制度にのっとって手続きを進めることが重要だと考えています。ただ、実際の契約の締結はまだ少し先なのですが、既に、NECとの2社間の協議は、できるところからですが進めています。

発表でもあったように、後方のところ、例えば資材調達だとか、サプライチェーンの部分では協業でき、そして相乗効果が見込める部分ですので、そういった部分に関しては、もう先行して検討を進めているといった状況です。他にもできるところ、例えば両者の経営陣同士のミーティングですとか、社員同士のカクテルパーティなどは行っており、お互いの信頼関係を深めていったりもしています。お互いのコミュニケーションを心がけ、透明性の高い関係が築けるように取り組んでいる状況となっています。

--- ミーティングもやっているとのことですが、例えば資材調達の協業などを進めていると言う話もありましたが、具体的にどういったことが話し合われているのですか?

ラピン氏: 今の話し合いの主な内容としては、コンシューマ分野の強化をどうやっていくのかですとか、また、どういう手法で今以上のステップアップを果たして競争力をつけていくのかとか、あとは、これはお互いの顧客についてなんですが、もっと顧客満足度を高めるために、一緒にやっていけることはどういったことがあるのか、といったことを話し合っています。

--- 今回の提携によって、先ほどから、日本のコンシューマ向けの取り組みを強化するという話が出ていますね。NECとの提携のメリットとしては、どちらかと言えば、日本市場においては法人向けより、コンシューマ向け事業を強化するという部分が重視されているのでしょうか?

ラピン氏: 必ずしもその通りということではないのですが、ただ、法人向け事業に関しては、NECもレノボ・ジャパンも、既に安定したビジネス環境を築けていると考えているのです。

製品の研究開発を例にすると、レノボの場合ですと、わが社がイノベーション・トライアングルと呼んでいる3つの拠点、ノースカロライナ、大和事業所、北京の拠点を持っています。大和に関しては、ご存知の通り、ThinkPadの研究開発の拠点です。世界中で有名なThinkPadをそこで研究開発しています。ThinkPadは昨年の12月で販売台数6000万台に到達しましたし、そういった法人向けの確固たるビジネス環境は既にあるものと思っています。これはお互いに、NECもレノボも既に持っているものと考えています。

ですので、法人向けの製品ラインナップというのは、しっかりしたものが既にある。その周辺で、スパイスとして革新的なものとして何をやっていくのか、といった製品まわりでのことでは、まだ余地はあるとおもうのですが、ただ、今のコンピュータ業界と言うのは、特にコンシューマの領域でパラダイムシフトが起きている考えているのです。

なので、法人向けも大切ですし、ただ特にコンシューマの分野については、NECとレノボお互いの研究開発のスキルなどを学びあったりする必要がある。さらに、NECという会社は、日本のパソコン市場に対する理解が非常に深い。お互いに学びあうことによって、新しい、より革新性のある製品を提供していければと思っています。

--- ユーザーが手にする製品レベルの話なのですが、今後もNECとレノボのブランドは別々に展開というか、市場投入されていくということでよろしいのでしょうか?

ラピン氏: はい。日本ではそのようにやっていきます。NECの製品とレノボの製品は、変わらず別のものとして残ります。ただ、世界全体で見回してみますと、将来には他の可能性というものもあるとは思っています。

日本市場を見てみますと、ブランドにしても、製品ラインナップにしても、それからターゲットとする市場としても、NECとレノボは被らない、別々になっていると考えています。それが今回の合弁会社の強みでもあるのですが、NECとレノボのビジネスが重複する部分、ぶつかり合う部分は少ないのです。これは合弁会社に有利に働きます。

例えばコンシューマ製品であれば、レノボは、どちらかと言えばメインストリームクラスの部分、コストパフォーマンスにフォーカスしています、対してNECでは、プレミアムな価格帯のプレミアムな製品にフォーカスしていたりします。あとはセクタ別に見てもですね、パブリックセクタはNECは非常に強い。それに対し、レノボはそこにはほとんどフォーカスしていないと、そういったことがあります。

ただ、海外市場に目を向けて見ると少し状況が異なります。どちらかと言えば、海外市場から見る日本市場というのはですね、非常に技術を重視している、技術に最も重きをおいている市場だと思っております。なので当然、実際の製品に採用されている技術の水準も、特別に高い。日本の量販店の店頭に並べられているPCの技術や機能を見ただけで、これが海外にくらべ非常に高度であることがよくわかります。

で、NECという会社は、そういう性質の日本市場に最もフォーカスをあてて、製品の研究開発をしてきた企業です。そのNECが開発した製品というのはですね、日本の他の市場、海外の市場に持っていくのに、大きなチャンスがあるのではないかと検討しているのです。

--- 例えば、先ほどのレノボのイノベーション・トライアングルの中に、NECの研究開発部門も加わってくる、そのようなイメージでしょうか?

ラピン氏: 当面は、研究開発拠点は両社で別々のまま置いておきたいと思っています。大和は大和、NECはNECで別にやっていきたいと思っています。ただ、その大和事業所と、NECの研究所拠点は、その現場の部隊間での、"ベストプラクティス"の共有は積極的に推進して行きたいと考えています。

そもそも、今回の提携で大事なポイントとして、NECのブランドですとか、NECの既存の顧客を守っていくことが、非常に重要だと考えています。それを守るということについては、一切の妥協をしたくない。

一切妥協しないということですので、例えば顧客に対するサービスですとか、製品デザインのイメージですとかはNECのものを守ります。あとは、そこからさらに、顧客により多くの選択肢を提供できるとか、さらに一歩上を行けるメリットを、即座に用意できるのであれば別ですが、そういったことが見出せないうちは、当面は別々に展開します。これは法人向けもコンシューマ向けも両方です。

--- 将来にわたって相互に技術交換を進めていく上で、例えばなんですが、NECはやはり日本国内に特化したメーカーであって、レノボはワールドワイドであると言ったときに、ワールドワイドの、レノボの特にコンシューマの製品なんかで、Idea製品のラインナップにNECのモバイルの技術とかが入ってきたら凄いことになりそうですね。いちユーザーとして思うところですと、NECノートのバッテリライフ延長関連の技術や薄型化の技術などが適用されたIdeaPadとか、期待してしまいます。

あともうひとつ、レノボPCの特徴のひとつで、魅力の大きな部分になると思うのですけれど、アフターサポートの部分があるかと思うんですね。で、今はIBM時代からの、そのまま引き継いだものでまかなっているのかと思うのですけれど、あれを例えば、NECの持っているサポート部門に合流させてしまうといったことも、メリットが出やすいように思えるのです。融合させてしまうメリットは多いように思うのですが。

ラピン氏: 私に今の時点で言える範囲で答えるのですが、まずNECの技術・研究開発力には非常に高い可能性がある、潜在性もあると思っています。先ほども言いましたが、日本市場の素晴らしい点はですね、新しい技術を取り入れるスピードがとても速くて、最近でも、NECが販売中のノートPCは、ほぼ全ラインナップでLEDタイプの液晶ディスプレイ装備している。これは、世界中のどの市場よりもはるかに速いことでした。

そういったNECが日本で磨いた先進の技術力を、レノボのグローバル・ラインナップに加えて行くという可能性はあると思っていますし、それと、NECの市場に対する、サプライヤとの関係という部分でも、活用していける部分はあると考えています。

それからサービス・サポートに関しても、NECは、顧客満足度を非常に高く評価されているメーカーであり、そここそ、NECの強みのひとつだとも思っておりますので、出来る範囲でのベストプラクティスの共有というのは進めて行きたいと思っております。しかし現在は別々の会社で、ひとつの会社になっているわけではありません。将来的には、是非有効活用して行きたいとは思っていますけれども、今のところは、やはり、出来る範囲の中で実施するということになると考えています。

レノボというのはグローバルに展開している企業ですので、例えばですね、レノボのサプライチェーンですとか、調達力の部分をNECに利用してもらうというのはすぐにあると考えています。そして、それは、調達コストの削減ですとか、ビジネスの効率化を見込める部分ですので、効率化がはかれた暁には、その分を、法人/コンシューマ向けの両方の部分に、製品の研究開発や、さらなる革新性の追及といった部分に割り振って行きたいという考えです。

対してNEC側では、例えば日本市場に対する理解が高かったりですとか、非常に高い水準の顧客満足度を提供しているですとか、革新的な技術を速いスピードで市場に投入しているという部分が、特徴として挙げられる。そういったNECの強みを、レノボのグローバル展開で活用していくのはもちろんです。

--- NECのブランドはこれからも妥協しないで守っていくと言うことでしたが、では逆に、レノボのブランドの方はどうでしょう。Lenovoという全体のブランドは成長していますし、ThinkPadのブランドは重要ですし。

ラピン氏: もちろん、レノボのブランドも守って行かないといけません。ご存知の様に、ThinkPadは非常に広く知ってもらっていますし、企業としてのLenovoのブランドも、弊社の過去6期の業績を例に出しますが、うち5期は史上最速の成長率を遂げていたりと、企業としてのブランドも築き上げつつあります。もちろんこれを守っていくつもりです。

また、繰り返しになりますが、製品ラインナップの位置付けを見ましても、NECとレノボの間ではそれほど競合するところはありません。なにより、、私自身が、ThinkPadの熱烈なファンなんですね。ですので、ThinkPadのブランドですとか、レノボのブランドを守らないというのは、もはや犯罪行為に近い(笑)。私の仕事のベースは、ThinkPadを守っていくことなんです。

--- 私もThinkPadのファンの一人です(笑)。せっかくなので公私混同を承知でThinkPadの話をもっと聞きたい。つい先日には、いわゆる"クラシック"なラインのThinkPadの世代が一斉に移行しましたね。今後のThinkPadはどう展開していくのか、何か方向性のようなものは教えてもらえますか?

ThinkPad各シリーズのSandy Bridge世代への移行がはじまっている。写真はデザインチェンジも話題となった「ThinkPad X220」

ラピン氏: 2011年はThinkPadの年です。今年はThinkPadにとってとてもいい年にするつもりです。

私は、ThinkPadの強みというのはですね、これまでも、これからも、高い付加価値を提供し続けていくという、そういう歴史、伝統に守られている部分だと思っています。ThinkPadというのはですね、マネージャビリティや堅牢性、そして品質の部分でも、非常に優れていると自負しています。それは何故か、というとですね、社内に大和研究所を持っている。そこには優秀なエンジニアを擁していて、大和のエンジニアリングで世界と戦っている。そこの部分が非常に大きな強みで、わが社の差別化要因になっています。

2011年がThinkPadにとっていい年になるというラピン氏の話を裏付けるように、ThinkPadのプレミアムモデルこと、最新モデル「ThinkPad X1」も登場した

今後、今年でも、ThinkPadを購入する方、または検討する方にはですね、今後も引き続き、このThinkPadの伝統を提供していく。そのために、社内での研究開発の体制整備も、これからもきちんと続けていきますし、より高い水準でのイノベーションというものも提供していきます。研究開発のより高い革新性のために、必要な(社内の)予算も取って行きたいと思っています。品質や堅牢性といった製品価値の部分は、必ず、今後もきちんと提供していくことを完全に約束できます。

さらにですね、ThinkPadに関しては、ThinkPadの"クラシック"をもちろん守っていくとともに、今は、SMBの顧客向けに、「Edgeシリーズ」という展開もはじめています。こちらに関してはですね、クラシックとは少し別に、よりクリエイティブにやっていきたいと考えています。

--- ThinkPadはよくわかりました。では一方で、Ideaブランドの製品については?

ラピン氏: コンシューマ向けの製品ですので、より速いイノベーションのサイクルですとか、技術革新を提供して行くことになります。どちらかと言えば、コンシューマーのユーザーというのは、一貫性というよりは、より新しいアイデアですとか、それから、新しいデザイン性ですとか、より新しい技術というのを歓迎します。なので、それらの投入のサイクルを速くしないといけない。パソコンの買い替えのスピードを見ても、コンシューマは1~2年で買い換えるなど、サイクルが速いんですね。

そして、このIdea製品の今後ですが、日本市場を見据えて、見た目のデザインを、よりシンプルに変えて行きたいと思っています。これまで、日本の顧客から様々なご意見をちょうだいしてですね、このデザインの部分では特に多くのご意見をいただいたのですが、担当している事業部にきちんとフィードバックしました。それをベースに、日本の顧客にあわせたデザインというのを、今は進めています。ですので、今後はより日本のコンシューマーユーザーが求めるような、クールでシンプルなデザインの製品がお見せできるようになると考えています。

写真はIdeaPadの最新モデル「U260」。"クール"なデザインが特徴のスタイリッシュノートに仕上がっている

--- ああ、今年のCES 2011の会場でも、新しいIdeaブランド製品のラインナップはいくつか見せてもらいました。確かにデザインが変わったという印象がありました。なかには、だいぶ冒険的と言っていいんでしょうか、今までにないような、様々なデザインに挑戦されているなぁと、そんな製品が目に付きました。Ideaのデザインは近年、特に大きく変わってきていますね。

ラピン氏: 実はですね、今、レノボが目指している"カルチャー"というのがあるのですが、我々は、社内で行っている研究開発の部分、イノベーションですとか、クリエイティビティの部分を、より推進していきたいと思っているのですが、それを、顧客とも一緒に推進していきたいと思っているのです。

それがなにかというと、顧客や、パートナーの意見、そういった社外からのフィードバックにきちんと耳を傾けることが、非常に重要だと。私は、製品の価値は最後はそこにかかっているのだと考えています。私がレノボに入社して以来、ひとつレノボの強みとして思い続けているのが、とにかく、どの国のどの市場であってもですね、顧客やユーザーの声に耳をかたむける姿勢が非常に大事だと強く思っているのです。

なので今後はさらになのですが、それと同じように、NECの顧客の声にもきちんと耳を傾けて進めていくことにするつもりです。レノボや今度の合弁会社が、組織としてどういった変化を遂げていくかと言うのは、実は、顧客の声に基づいているのだと答えることが出来ます。

--- Ideaでは日本の声が反映されているなど、レノボは日本市場が重要だと認識されているのですね。

ラピン氏: 特に日本の市場には真剣に取り組んで行きたいと思っています。今後もです。先ごろの大震災で色々とあったわけですが、レノボとしては、それ以降も変わらず、むしろこれまで以上に、日本市場に力を入れていますし、これからも力を入れ続けます。災害復興の支援の面でも、注力いたします。もちろんNECとも協業も、なんら変わらず全力で進めていきます。

そう、日本を重視しているという、そのひとつのあかしとして、今年の7月には、CEO/COOはじめレノボの経営陣が揃って日本に来日する予定があります。その場でも、顧客に向けて、市場に向けて、NECのパートナーに向けて、「レノボが日本市場に100%コミットして行きます」というメッセージを直接お伝えするつもりです。そして、皆さんからのご意見も直接お聞きしたいと思っています。レノボ・ジャパンの日本のチームだけでなく、グローバルレベルで、レノボは日本市場に真剣に取り組んで行きたいと考えているのです。

いま、世界中を見渡してみると、新興市場をはじめ、非常にエキサイティングな展開が各所で見られるかと思うのですが、そんな中でも、レノボは、あえて日本市場への投資をして行きたい。

例えば大和事業所をひとつとっていただいても分かると思うのですが、そもそもグローバル企業であれば、日本はコストが高いわけですから、研究開発拠点を他の国、もっとコストが安い国へ移すという選択肢もあって、実際にそういった選択をした企業も多いと思います。しかしレノボは、そうではなく、大和をずっと守っているわけですし、つい最近も、新しいみなとみらいの最新施設への移転も実施しました。研究開発の設備もスタッフも、全部そこの新しい施設へ移しました。これは、日本への投資に積極的であるいい例だと思っています。

--- 震災といえば、影響は出ていますか? 製品の供給体制など、ビジネス上の懸念もあるかと思いますが、状況はどうですか?

ラピン氏: まず製品供給については、どのメーカーでもある程度の影響が出ているのではないか、それは仕方ないと思っています。

その、日本という国はやはり技術大国ですので、世界中のあらゆる業種、自動車業界を例に出すまでもないですね、日本の技術が入っていないところはほとんど無いのだと思います。例えば、世界のシリコンチップの6割は日本の素材で生産されています。なので、影響はもちろんあります。では、どのくらいの規模の影響だったのかが問題なのかと思うのですが、部材だったりは、ひと月分くらいは常にストックしています。もちろん足元での影響は出ていますので、しばらくは、ある程度の部分は影響が避けられないでしょう。

ただ、日本の強みとして私が思っているのはですね、日本は色々な面で非常にリソースが豊かですし、それから、カルチャーとして、助け合いのカルチャーがあります。それなので、"回復力"というのは世界でも比類の無いものがあると信じています。今回の件で、色々なレポートを見ると、細かい分析では、影響が出るようなことが言われていますが、実際には、そのような理由から、回復はもっと早いのではないかと思っているのです。

--- 義援金の発表や、製品保証の規約変更などを見ました。レノボは復興支援の取り組みに積極的でした。

ラピン氏: 会社として、非常に早い対応ができたと思っています。レノボではまず救済基金を立ち上げたのですが、これにはちょっとしたエピソードがありまして、これは、レノボ・ジャパンだけでなくて、レノボのグローバルでの取り組みによる基金なのですが、震災があった当日の話で、本社のCEOから私に突然メールが1通届きました。内容は、「日本に対して何かしたい。私に何かできることはないか」というメッセージが書かれたメールでした。CEOは中国を拠点にしているのですが、昨年、中国で大地震があり大きな被害がでましたが、その際の、助け合った経験がベースにあったのだと思います。そういったCEOの直接のメッセージからはじまったので、全社でもって、非常に日本を手助けしようという運びになったのです。加えて、グローバルでのレノボ全社員が募金をできる社内イントラのシステムも立ち上がっています。

また製品保証では、具体的には、以前までの保証サービスでは、自然災害での故障は保証外だったのですが、そのポリシーも変更しました。今回の震災で影響を受けたユーザーは、弊社のサポート窓口に連絡を下さい。連絡いただければ、保証サービスを受けることができるように整備しています。

--- 震災関連で、その後、節電の必要性が増して、PCの消費電力なども課題になっているわけですが、ThinkPadの先日の新ラインナップに、一斉に新しい省電力機能が搭載されたのも印象的でした。

ラピン氏: 新しい省電力機能は、新ラインナップのHuron River(Sandy Bridge世代のIntel Coreを内蔵するモバイルプラットフォームのコードネーム)採用製品で幅広くサポートしています。様々な省電力の機能を積みましたが、今回の軸はピークシフト機能ですね(省電力機能の詳しい解説はこちら)。節電・省電力は、オフィスでの必要性から、以前から取り組んでいた分野ですので、今回の件にあわせてというわけではないのですが、節電に協力できるわけで、嬉しく思っています。

--- そろそろ時間ですね。今回お話を伺ってなのですが、レノボが強力に日本の市場、特にユーザーにコミットしていることが良くわかりました。それがワールドワイドのレノボでの取り組みであるというのも印象的でした。これからもより良い製品が出てくることを期待しています。本日はありがとうございました。