先日、米Microsoft CEOのSteve Ballmer氏が来日してデベロッパーを聴衆とした講演を行った。その際に同氏は、同社の次期主力OSが「Windows 8」であること、そしてそれが2012年に登場することを初めて認めた。これまでにも、Windows 8がARMベースのSoCで動作することが実演されており、そこで動作するInternet Explorer 10のデモが紹介されてきているが、さらに来週にはTegra 2を搭載した「Windows 8タブレット」が一般に披露されることになるという。
この件を3人の関係者からの証言として報じているのは米Bloombergだ。来週、5月31日から6月2日にかけて米カリフォルニア州ランチョパロベルデ(Rancho Palos Verdes)で開催される米Wall Street Journal主催の「All Things D Conference (D9)」において、Windows開発チームの責任者を務めるSteven Sinofsky氏がTegra 2搭載「Windows 8タブレット」を披露する予定なのだという。
今年1月に開催されたCES 2011のデモでは、あくまで従来のWindowsと同様のルック&フィールをもったOSがARM SoC上で動作するというだけだった。そして4月に開催されたMIXカンファレンスでは、初公開となるInternet Explorer 10をSinofsky氏自身が披露したが、そのデモの最後にシステムプロパティを見せて、実はARMマシン上で動いていたことをアピールした。つまり、これは開発中のWindows 8である。
もしD9でWindows 8タブレットが披露されるのであれば、それは「Windows 8初のタブレット向けUI」が公開されることを意味する。現在のタブレットは指によるマルチタッチ操作が主流で、補助となるキーボードやボタン、入力に正確性をもたらすスタイラスのようなペンは用いない。そのため、快適なタブレット操作を実現するためにはWindowsのUIを根本から変更する必要が出てくる。これまでのWindows 8プレビューではUIに関する話題にはいっさい触れておらず、しかもタブレット対応についてのロードマップは出していないため、ここがUIを披露する初の場面となる可能性が高いというわけだ。