ワコムのペンタブレットなどを使い、ペンの特性を活かした様々な無料アプリを楽しむことができる「Bamboo Apps」。今回は、ここで提供されている無料ゲームアプリを試してみる。

ペンでキャラクターを操作するパズルゲーム「Paper Cakes」

まず紹介したいゲームアプリは「Paper Cakes」。Paper Cakesはいわゆる迷路タイプのパズルゲームだ。

「Paper Cakes」のゲーム画面。紙にペンで描いたような、ゆるいアニメが実に楽しい

ゲームの目的は食いしん坊の主人公をケーキまで導く、というシンプルなもの。スタイラスペンで画面に線を描くと、主人公がその軌跡どおりにトコトコと移動してくれる。手描きアニメ風のゆるいタッチのグラフィックに、なんとも癒される。見た目の印象とは裏腹に、ゲームはなかなか本格的。主人公とケーキの間には段差があったり、邪魔者が居たりと、簡単にケーキにたどり着くことはできない。段差や邪魔者を回避するには、ゲームステージである「紙」を折りたたんで裏返さなければならないのだ。紙の裏側には別の順路が描かれており、紙を折り曲げることで、表と裏の順路がぴったりと接続すれば、裏側へと主人公を移動させることもできる。

紙を左側を折り曲げたところ。線が接続すれば、主人公は紙の裏側へ移動できる

見た目の印象から、お子様向けの単純なゲームかと油断していると、容赦なく難易度がどんどん上がっていく。邪魔モノが道を塞いでいたり、紙を二段階で折り込んできたりと、なかなか攻略しがいのあるゲームだ。なお、Paper Cakesの表示言語は英語だが、新しい要素が加わるステージでは随時、チュートリアルが用意されている。

ステージが進むと、二段階折り曲げや邪魔モノなど、次々と新しい難関が

Paper Cakesの、紙の裏表を行き来するというアイデアは、紙で作るメビウスの輪の不思議さを思い起こさせる。これはまさにトポロジー(位相幾何学)という数学的概念を使ったパズルであり、頭の体操としてもレベルが高く、それをペンという身体感覚のある道具で操作する点が実に興味深い。このアプリは、オランダ「Dutch Game 2010 Awards」のBest Original Game Design部門/Best Student Game部門を受賞しており、数あるBamboo Appsの中でも、高い完成度を誇っている。

次回は、無料ゲームアプリ「cutter」を紹介したい。