多くのデザイナーから愛用されている定番のペンタブレット・メーカーであるワコムから、iPad向けのスタイラスペン「Bamboo Stylus」が、2011年5月27日に発売される。本レビューでは、満を持しての登場となるワコム製スタイラスペンの魅力や使い心地などをお伝えしていこう。

自然な描き心地で描きやすい本製品は、手書きメモ、スケッチ、お絵描きなど、iPadでのクリエイティブな表現方法をさらに広げてくれる

Bamboo Stylusは、その名の通りワコムがBambooなどのペンタブレットの開発で培ったノウハウを投入し開発されたiPad向けのスタイラスペン。現在、iPad用アプリとして、多数のグラフィック系アプリがリリースされているが、指先でイラストを描いたり、文字を書いたりする感覚に今ひとつ馴染めないといったクリエイターの方々も多いのではないだろうか。本製品は、そんな不満を解消し、多くのアプリをより一層直感的かつ快適に利用可能としてくれる。

本体は、同社のペンタブレット用のペンに近い形状となっており、同社のペンタブレットを使っているデザイナーならすぐに馴染むことができるはず。また、ペン本体は絶妙なバランスと考え抜かれたサイズ(直径9mm / 長さ120mm / 重量18.9g)で、マット処理された本体表面はグリップ感も良好だ。他社製iPad用スタイラスに、ペンが太過ぎる、長さが短過ぎるといった不満を持っていたユーザーにも安心してお薦めできる。

質感の高いサテン調ブラックとシルバーを基調とした、シンプルで洗練されたデザインは、高級感を感じさせる仕上がりとなっている

本製品の上部には、ポケットなどに入れて携帯する際に便利なクリップが装備されているが、手が大きめのユーザーはペンを握る際にそのクリップが気になるはず。そんなときは、ペン最上部のキャップ部分を回すだけでクリップを簡単に脱着できる。特に、自宅や制作スタジオなどでiPadを利用しており、持ち運びをしないといった場合は、クリップを取り外してしまったほうがタブレット用のペンに近い感覚で本製品を使用できるだろう。ただし、あくまで本製品はiPad(静電方式タッチパネル)対応なので、Bambooタブレットでは使用できるわけではない。

スタイラス本体上部のキャップを回すとクリップを取り外すことができ、ユーザーの好みに合わせて、持ちやすさと使いやすさを調整可能

さて、気になる書き心地の部分であるが、ペン先は柔らかい導電性のゴムとなっており、サラサラした質感のため、なめらかな書き心地を味わえる。また、磨耗した場合は交換も可能となっており、ヘビーユーザーにとっては心強いところだ。また、注目すべきはペン先経が業界最小の6mmとなっており、微妙な線を描く際に優れた視認性を確保できること。iPadでは、指先での操作が基本となっており、あまりにペン先の接触面が小さいと反応しないなどの現象が発生しストレスを感じことがあるが、本製品ではレビュー期間中にそういった問題を感じることはなかった。なお、筆者の環境では特に影響は見られなかったが、iPadのタッチスクリーンに保護シートを貼付している場合は、書き込み時に反応が鈍くなることがあるようなので注意が必要だ。