鉄道ファンの愛好者団体「鉄道友の会」は24日、2011年のブルーリボン賞に京成電鉄の新型スカイライナー「AE形」、ローレル賞に東京メトロ千代田線の「16000系」を選出した。両賞は前年に営業運転を開始した車両が対象。ブルーリボン賞は約3,300名の会員の投票で決定する。ローレル賞はベテラン会員9名による選考委員会が性能・デザイン・製造企画・運用などを評価して選定するという。

ブルーリボン賞に選ばれた京成電鉄「AE形」

京成電鉄AE形は、東京都心と成田空港のアクセスを短縮する「成田スカイアクセス線」の開業と同時に投入された特急電車。性能面では新幹線以外の在来鉄道線として、また大手私鉄として最高速度となる「160km/hの営業運転」が評価された。また、デザイン面でも山本寛斎氏が手がけた外観の美しさ、車内設備の快適性などで注目され、会員の多くの支持を集めたとのこと。

ローレル賞に選ばれた東京メトロ「16000系」

東京メトロ16000系は千代田線用の電車で、既存の6000系車両を置き換えるために製造された。動力装置に永久磁石同期電動機を採用して消費電力を低減した。また、電動機の発熱量が低減したため、冷却ファンが不要となり、低騒音化にも成功したという。また、客室デザインにガラス製間仕切りを使い、天井を高くして開放的な空間を実現した。こうした仕様が選考委員会によって「より先進的な技術を導入することで省エネルギー社会の実現へ向けて着実に貢献しようという、21世紀における通勤電車の新しいモデルを提示した」と評価されたとのこと。

京成電鉄によると、同社車両のブルーリボン賞の受賞は1974年の初代スカイライナー以来2度目。また、今回受賞した新型スカイライナーは、2010年のグッドデザイン賞も受賞しているとのこと。

東京メトロによると、同社車両のブルーリボン賞は営団地下鉄時代も含めて、1972年の千代田線用6000系、1985年の銀座線用01系に次いで3度目。16000系は現在7編成が活躍しており、今年度はさらに7編成を導入予定。来年度には16両編成体制になるという。また、今回高く評価された永久磁石同期電動機は、来年春に導入予定の銀座線用1000系にも採用するとのこと。