今年3月に落語家への転身を表明し、上方落語会の重鎮・桂三枝に入門した世界のナベアツの高座名が桂三度(かつらさんど)に決定し24日、大阪市内で発表会見が行われた。

師匠の桂三枝(右)から高座名を“桂三度”と命名された世界のナベアツ(左) 拡大画像を見る

師匠の三枝とともに会見に出席したナベアツは「高座名をまだ聞かされていないのでワクワクします。それと"世界のナベアツ"というアホな名前ともこれでお別れかと思うと感慨深いですね」と緊張の面持ちであいさつ。そんなナベアツの前で、三枝から"桂三度"という落語家としての新しい名前が発表された。

命名した三枝は"三度"に込めた思いを「彼は漫才師としてこの世界に入り、放送作家としても活躍している。落語家になるのは人生三度目のチャレンジ。"三度目の正直"となるようにがんばって欲しいという思いから名付けました」と説明。さらに、ナベアツの本名・渡辺鐘を生かそうと"渡"という字をバラした"三度"とし、「三度三度のご飯がしっかり食べられるように。食べ物に恵まれるように、"カツラサンド"から"ラ"を取ると"カツサンド"にもなるようになっております(笑)」と落語家としての成功も願った名前であることを明かした。

これを受けてナベアツは「本当にうれしいです。師匠が名前に込めてくださった意味がやさしさに溢れていて、ちょっとウルッとしちゃいそうです」と感激しきり。「師匠にご迷惑をかけないよう、このすばらしい名前に泥を塗らないようがんばります。ちなみに僕はカツサンドが大好きです(笑)」と意気込みを新たにしていた。

現在、ナベアツはテレビ番組などの仕事をこなしながら、三枝のもとで弟子修行中。ナベアツは「年下の兄さんたち(兄弟子)に着物の畳み方から教わって、何をすればいいのかわからずオロオロするばかりでご迷惑をかけています(笑)」と現在の状況を説明。また、三枝から"宿題"として出された創作落語作りにも励んでいるとも話し、「コントと落語は作るときの頭の使い方が違う。あるところまで作るんですが出来に満足できなくて、夜中に頭を抱えてうなってますね」と創作の苦労を明かした。

そんなナベアツに三枝は「僕が持っている創作落語のノウハウを教えていきたい。頭のいい子なので、すばらしい創作落語を作ってくれると思います」と期待を。「放送作家の仕事で培った構成力で今までにない創作落語を作って、落語会に風穴を開けて欲しいです」と力強いエールを送っていた。