米Microsoftは24日(現地時間)、米ニューヨークでプレス向けイベントを開催し、次期版Windows Phone「Mango」(コードネーム)の詳細を説明、またハードウエアパートナーの拡大、Mangoをサポートする開発ツールのベータ版公開などを発表した。
Microsoftは4月にMIX11でMangoのプレビューを披露しており、同カンファレンスのキーノートにおいて、モバイル版Internet Explorer 9 (IE9)の搭載、効率的なマルチタスク機能、アプリ開発者サポート強化、提供市場の拡大などを明かしていた。Mangoには500を超える新機能が追加される。24日のイベントで同社は「コミュニケーション」「アプリ」「インターネット」の3つに焦点を当てて、Mangoの主な強化点を説明した。
今日のスマートフォンでは、電話、テキスト、電子メール、IM、Twitter、SNSなど様々なコミュニケーションが可能だが、これらの利用がアプリやアカウントごとに分断されているのが現状だ。1人の友だちとのコミュニケーションのために、数種類のアプリをひんぱんに切り替えるということが起こり得る。
Mangoではコミュニケーション全体にピープル・ハブが統合され、人を中心とした効率的なコミュニケーションが可能になる。例えば、新機能の「Threads」では同じカンバセーション内でテキスト、Facebookのチャット、Windows Live Messengerを切り替えられる。電子メールは複数のアカウントを1つの「Linked inbox」に集約可能。新たにTwitterとLindedInのフィードがコンタクトカードにまとめられ、また個人だけではなく、複数のコンタクトをまとめた「Groups」のLive Tilesを作成して、スタートスクリーンを通じてグループのステータスを確認することができる。
MangoではOSの利用体験が、標準アプリだけではなく、サードパーティのアプリにも及ぶ。例えば、検索結果やWindows Phoneハブにアプリがひも付けられ(App Connect)、必要や場合に応じてMangoがユーザーに適切なアプリを提示する。また、Live Tilesを通じてアプリ情報がリアルタイムで更新される効率的な通知機能を備える。
インターネット機能は、ハードウエアアクセラレーションや豊富なHTML5機能をサポートするIE9の搭載が目玉だが、それだけではない。位置情報を基にローカル情報を提供する「Local Scout」など、端末の各種センサーを活用したネット機能を実現する。製品、映画、音楽、イベント・場所などの検索では、「Quick Cards」がアプリを含む関連情報を提示。またMicrosoftの検索サービスBingとの連係が強化される。
Mango搭載端末は今年秋に登場する予定で、イベントでは新しいハードウエアパートナーとして富士通、Acer、ZTEなどが紹介された。
Microsoftはまた、「Windows Phone Developer Tools 7.1 Beta」をアプリ開発者向けに公開した。バックグラウンド処理、ディープリンク、センサーの追加(カメラ、コンパス、ジャイロスコープ)、Live Tile強化、Silverlight 4、Fast Applicationスイッチ、IE9ブラウザコントロールなど、Mangoの様々な機能をサポートする。