2011年7月、東京・六本木ベルファーレ跡地にニコニコ動画の次世代ライブハウス「ニコファーレ」がオープンする。
これは5月22日に台湾で開催されたニコニコ動画公式イベント「ニコニコ大会議」で明らかにされたもの。同施設は全壁面にLEDモニターを設置して多彩な映像演出を行う他、ニコニコ生放送に連動してコメントをリアルタイムに表示することもできる。すでにニコニコ動画の人気ユーザー5人によるソロライブが決定しているという。
この日の大会議では、他にも衝撃的な発表がいくつも飛び出した。
ニコファーレに続くビッグニュースは、GACKTによる"歌ってみた"だ。ニコニコユーザーの作成した楽曲を実際にGACKTが歌い、さらにシングルCDとして7月にリリースする。収録される2作品はGACKTの音声を用いたボーカロイド「がくっぽいど」で制作された楽曲で、2009年にGACKT自身が選考した「がくっぽいどコンテスト」の受賞作品となっている。
そして2012年には、今回で終了となるニコニコ大会議の"アンコール"として、幕張メッセで大規模フェス「ニコニコ超会議」が開催されることが決定した。詳細は未定だが、「歌ってみた」だけでなく、「ニコニコ動画の人気コンテンツが集結する一大フェスになるという。
現実世界でのイベントを充実させていく一方で、その屋台骨となるニコニコ動画そのものも大幅に強化する。まずは回線とサーバの増強を行い、今年の夏休みまでに配信キャパシティを1.5倍に、総帯域数を230Gbpsに引き上げる。さらに「NG機能」についても、大勢がNGにしたコメントを他のユーザーから自動的に見えなくするというアップグレードを、冬頃をめどに実施することを発表した。
また、Android版ニコニコ動画・生放送が今年夏にスタートする。ブラウザだけで見られるため、アプリは不要。タイムシフトや有料生放送にも対応予定とのことだ。
そして昨年末に第一弾が行われ好評を博した「ニコニコミュージカル」に新作『カンタレラ』が登場する。これは同名のボカロ曲をもとにした音楽劇で、ニコニコ動画で人気のユーザー「少年T」や「弟の姉」、「こまん」などが出演する予定となっている。さらにスーパーミュージカル『聖闘士星矢』もニコニコ生放送で中継が決定。新しい観劇スタイルの一つとしてニコニコ生放送が定着するかどうか、今後も注目していきたい。
今後のニコニコ動画の方向性について、ニワンゴ代表取締役杉本氏は「ライブ感はどんどん盛り上げていきたい。数年後に(方向性が)変わる可能性はあるが、いったんはニコファーレのように現実とバーチャルとの融合を極めていきたい」と語っている。
ニコニコ動画は今後もしばらく、ネットコンテンツと現実のイベントをリンクさせる方向で進化を続けていくようだ。