シャープは20日、都内でスマートフォンに関する事業説明会を開き、夏モデルのスマートフォン新商品の紹介と今後の取り組みについての説明を行った。
発表会で登壇したのは、同社 執行役員 通信システム事業本部長の大畠昌巳氏。冒頭で大畠氏は、スマートフォンの市場動向について解説。2011年度の国内の携帯電話出荷台数でスマートフォンが40.6%を占め、2012年度には過半数を占めるという予測を紹介し、その中でもAndroidスマートフォンが急速にシェアを伸ばしていると述べた。そして、スマートフォンへのユーザーの期待は大きく、今年度は想定以上の成果をおさめるだろうと指摘。また、様々なメーカーが参入しており、競争は激化していくと述べた。
次に、大畠氏は2010年度の国内携帯電話出荷台数のシェアを示し、シャープが22.8%を占めて6年連続で1位を達成したことを紹介。2010年下期に6機種を投入したスマートフォンのシェアでは24.3%でAppleに次いで2位だったことから、2011年度はスマートフォンでもシェア1位を目指すとした。
大畠氏は、スマートフォンのシェア拡大のために明確な差別化を図ると述べ、その一つとして、新たなスマートフォンブランドの「AQUOS PHONE」を立ち上げたことを説明。NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクの各社の夏モデルに、それぞれAQUOS PHONEを2機種ずつ投入したと紹介した。
AQUOS PHONEの一番の特徴は、同社の液晶テレビ「AQUOS」との連携機能。DLNAに対応し、スマートフォン内のコンテンツをAQUOSの大画面で視聴したり、ブルーレイディスクレコーダー内のコンテンツをスマートフォンで視聴することが可能となっている。さらに将来は、直感的な操作でスマートフォン内のコンテンツをAQUOSに転送することや、メールの受信をAQUOSで通知するといった機能も搭載していきたいとした。
大畠氏は、AQUOS PHONEのもうひとつの特徴として、3D対応を挙げ、NTTドコモの「SH-12C」、KDDIの「IS12SH」、ソフトバンクの「006SH」ではQHD高精細3D液晶を搭載したことを紹介。3Dの画像や動画をよりくっきりと綺麗に表示できるようになったと述べた。さらに、上記の3機種は800万画素のツインカメラを搭載しており、高画質な3Dの写真、動画を撮影できるほか、ゴルフスイングなどのチェックに役立つ倍速撮影が可能なことを紹介した。
ユーザビリティ面では、同社独自のインターフェースである「TapFlow UI」を5機種に搭載したことを紹介。タッチ操作の履歴などから、使っていくうちに使いやすく変化していくインターフェースとなっている。また、KDDIの「IS11SH」、ソフトバンクの「007SH」では、ハードキーボードを搭載。さらに、NTTドコモの「SH-13H」ではワイヤレス充電に対応するなど、色々なニーズに対応していきたいと述べた。
AQUOS PHONEのサービス面では、電子書籍ストアの「TSUTAYA GALAPAGOS」との連携を強化していくと説明。夏モデルの各機種には、Androidアプリの「GALAPAGOS for Smartphone」をプリインストールしていくほか、コンテンツの拡充も図り、2011年度の上半期にコンテンツ数5万件を目指すと述べた。
最後に大畠氏は、今後の展開として2011年度は国内のスマートフォン出荷台数で500万台を目指すと述べた。さらに、シリコンバレーに新たに事務所を開設したことを明かし、アジア、欧米、新興国へのグローバル展開も本格化すると語った。