ソニーは、18日より、ブルーレイディスクレコーダーの新機能追加と機能向上のためのソフトウェアアップデートを放送ダウンロードで実施する。対象機種は、BDZ-AX2000/AX1000/AT900/AT700/AT500/AT300S。

アップデートの対象機種は、BDZ-AX2000/AX1000/AT900(写真)/AT700/AT500/AT300S

追加される機能は、BDからHDDへのムーブバック、3Dハンディカム「HDR-TD10」の3D映像の保存、3Dモードの自動切り替え、CATVチューナーからのLAN接続でのハイビジョン録画の4点。

ムーブバックは、BD-RE、またはファイナライズしていないBD-Rにダビングした番組を、内蔵HDDに書き戻す機能。複数のBDに保存されている番組を1つにまとめるなどといった際に便利な機能だ。なお、ムーブバック可能なタイトルは、同社製のレコーダーで記録したものに限られる。3Dハンディカム「HDR-TD10」の3D映像の保存は、HDR-TD10とレコーダーとをUSBケーブルで接続し、HDR-TD10のワンタッチダビング機能によってレコーダーのBDメディアに書き出すという機能。3D映像だけでなく2D映像も同時に書き出すことが可能だ。なお、書き出し先はBDメディアに限られ、HDDに保存することはできない。

3Dモードの自動切り替えは、録画した3D放送を再生する際の操作性の改善を行うもの。現在放送されている3Dコンテンツは、サイドバイサイド方式を採用している。これらの番組をレコーダーで録画し再生を行う際には、テレビ側で3Dモードをオンにし、さらに3Dのフォーマットをサイドバイサイド方式に切り換える必要があった。また、3DモードのままでレコーダーのXMBを起動すると、表示が乱れるという問題点もあった。アップデートは、これらを改善するもので、3D/2Dの切り替えやモードの変更を自動的に行うというもの。この処理には、放送に含まれている3D識別信号を利用している。なお2011年5月現在、3D識別信号を採用しているのはBS11のみ。CATVチューナーからのLAN接続でのハイビジョン録画は、STB側の番組表から、レコーダーでの録画予約を可能にするというもの。日本ケーブルラボが4月に発表したDLNA運用仕様書に準拠したもので、現在、パイオニア製のSTB「BD-V301」「BD-V371」「BD-V371L」が、この規格に対応している。

これ以外に、早送り/巻き戻しの緻密化、15秒送り/10秒戻しのレスポンス向上、録画画質の向上など、既存機能の向上も行われている。早送り/巻き戻しの緻密化は、早送り/巻き戻を行っている際に表示するコマの密度を高くすることで、よりなめらかな表示にするというもの。15秒送り/10秒戻しのレスポンス向上は、現在、15秒送り/10秒戻しボタンを押した際に(とくに 1回だけでなく複数回押した場合に)、実際に秒送り/戻しが実行されるまでに1秒程度時間がかかっていたのを、瞬時に秒送り/戻しが実行されるように改善したもの。録画画質の向上は2点。1つは低ビットレート時のフェード部分でのノイズ低減。そしてもう1つが、サイドバイサイド方式で放送されている3Dコンテンツの録画の際の画質向上。同社のレコーダーでは、デジタルカメラなどにも採用されている顔認識技術によって、人物の顔の部分のデータ量を増やすことで、低いビットレートでも良好な画質を維持している。しかし、サイドバイサイド方式では、画面が横に1/2のサイズになってしまっているため、従来は、顔認識困難だった。アップデートでは、顔認識のアルゴリズムを修正することで、サイドバイサイド方式でも、高精度な認識を行えるように改善している。なお、この機能も、3D識別信号を利用しているため、現在の所、BS11でのみ利用可能となっている。