レノボ・ジャパンは17日、モバイル重視のノートブックPC「ThinkPad Xシリーズ」において、従来ラインナップとは一線を画すデザインや機能を備えた13.3型の新モデル「ThinkPad X1」を発表した。ThinkPad史上最薄というボディながら、標準電圧CPUを搭載する高性能モデルとなっている。同社Web直販では5月27日より販売を開始し、価格は197,400円から。
伝統的なデザインを踏襲する傾向にあるクラシックなThinkPadブランドの製品でありながら、見た目にもわかりやすい新機軸が豊富に盛り込まれた新モデル。ThinkPadブランド内における製品の位置付けは、過去に発売されていたThinkPad X300/X301に近く、ThinkPadの中でも"プレミアム"なラインのモデルとされている。
複数モデルを用意し、Web直販ではCTOにも対応するが、主な基本スペックとしては、CPUはIntel Core i5-2520M(2.50GHz)または同i3-2310M(2.10GHz)、チップセットはMobile Intel QM67 Express、メモリは最大4GBのDDR3、ストレージは2.5インチの120GB SSDまたは320GB HDD、OSは標準でWindows 7 Professional 32/64bit。ディスプレイは13.3型LED液晶(1,366×768ドット)。主なインタフェースは、USB 2.0×1、USB 2.0/eSATAコンボ×1、USB 3.0×1、HDMI、DisplayPort、4in1カードリーダ、720p Webカメラなど。ネットワーク機能はGigabitEthernet、IEEE802.11a/b/g/n、WiMAX、Bluetooth。バッテリ駆動時間は標準4リチウムポリマーバッテリ搭載時で最大約5.8時間。本体サイズ/重量はW337×D231.1×H16.5~21.3mm/1.69kg。
最大の特徴はThinkPad史上最薄とされるボディの薄さで、最薄部は16.5mm。マグネシウム素材による内部のロールケージ構造はこの薄さでもしっかり採用されている。このボディに、低TDPのための低電圧版ではなく、性能面で優れる通常電圧版の第2世代Intel Coreプロセッサを搭載するにあたり、その熱処理の問題を解決するために新開発した第5世代ふくろうブレード・ファンと呼ばれる高効率冷却ファンを採用している。また、液晶ディスプレイ面およびベゼル部分までを一面でカバーするゴリラガラスの採用により、ガラス面自体の強度だけでなく、ディスプレイ部全体の堅牢性向上に繋げており、これがディスプレイ部分の薄型化にも寄与している。
キーボードは"伝統"の7列配列タイプではなく、ThinkPad Edgeなどで採用例が見られるアイソレーションタイプを採用し、キー下には暗所での利用を考慮したLEDバックライト(ON/OFF可)も備える。ほか、バッテリの充電が80%に達するまでの所要時間を30分までに短縮した「Lenovo RapidCharge」技術も新たに実現した。なお、バッテリは本体内蔵で、ユーザー自らによる着脱は困難なタイプだが、かわりに充電や放電の仕組みを細かく見直すことで、1,000サイクル以上という長寿命を可能としているという。エンタテイメント映像の視聴時の音質向上や、VoIP会議時の音声明瞭化にも効果がある「Dolby Home Theater」の標準搭載や、システム高速化技術のLenovo Enhanced Experience 2.0の搭載なども特徴となっている。