6月24日に日本公開されるスティーブン・スピルバーグとJ.J.エイブラムスの初タッグ作『SUPER 8/スーパーエイト』。筆者はアメリカのマスコミ向けの限定試写で上映され、話題沸騰となった20分のフッテージを目撃! この極秘映像でうかがい知れる超話題作の魅力をいち早くお届けしよう。
映像は、各国のプレスを対象にしたイベントでJ.J.自身がプレゼンする様子から始まる。『SUPER 8/スーパーエイト』の舞台は、1979年のオハイオ州。6人の子供たちが、スーパー8カメラで映画撮影をして遊んでいると、トラックとアメリカ空軍の貨物列車の衝突事故に遭遇してしまう。政府が極秘に輸送していた「何か」の正体を知ってしまった少年たちの運命を描く物語で、青春ドラマ、ロマンス、SFアクションといった様々な要素が複雑に絡み合う、ジャンル分け不能な内容に仕上がっているようだ。
「本作のアイデアを話したら、スピルバーグは"ファンタスティック(素晴らしい)!"と言った途端に僕の電話をガチャ切りしたんだ」。身ぶり手ぶりを交えてユーモアたっぷりに語り、会場を沸かせるJ.J.。起用した子役たちのオーディションについては、「ハリウッドらしくない、僕たちの周りにいるような子供を選んだ。変にスレたところのない子供をね」と、こだわりをのぞかせた。今回、公開された映像は、大きく分けて2つのパート。少年たちの映画撮影中に列車の脱線事故が起こるまでと事故によって逃げ出した「何か」がガソリン・スタンドを襲うシーンである。特に後者はJ.J.が、「CGが未完で、正直、このフッテージで判断されたくない」と語るほど、しぶしぶ観せた感がありあり。しかし、彼のコメントが単なる謙遜に思えるほど、驚愕の映像がそこにはあった!
まずは主人公の美少年ジョーが仲間たちとの映画作りにハマるいきさつが分かるシーン。母親を亡くし、心を開けるのは友達だけ。主演女優のアリスに淡い恋心を抱くジョーが彼女にメイクを施す姿を見れば、誰もが胸キュンしてしまうはず。こういった深みのある人物描写は、『LOST』で大所帯のアンサンブル・キャストの個性を際立たせたJ.J.の真骨頂と言えよう。さらに、列車事故のシーンがド迫力! 爆発によってゴロンゴロンと振ってくる車両の数々、逃げ惑う子供たち……この事故がまるで目の前で起こっているかような臨場感は圧巻だ。そして、「何か」の襲撃シーン。姿形は見えないものの、巨大であることは一目瞭然である。
フッテージのみで全体像を把握するのは到底不可能なことだが、この映画に限っては別。映画『E.T.』『未知との遭遇』など、映画ファンの心に深く刻まれるスピルバーグ作品にオマージュを捧げたというJ.J.のコメントも納得の素晴らしい内容であることが確信出来た。こちらの期待は膨らむ一方。本編の完成が待ち遠しい!
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