乗馬には癒しやフィットネス効果があると言われている。35歳女性・体重50kgの場合で試算すると、1回45分の騎乗時間で約160kcalを消費していることに。これは、エアロビクスと同等の消費カロリーで、ゴルフやサイクリングよりも多いことになる。また、一見体を動かしていないように見えるが、全身の様々な筋肉が使われており、しかも有酸素運動なので、無理なく楽しく運動することができるという。
また、馬との触れ合いにより心のストレスが軽減される効果が指摘されており、「ホースセラピー」として近年注目を集めている。
今回は、体験乗馬や乗馬スクールを手がける千葉県・成田のオリンピッククラブ 広報担当 白井健一さんに、乗馬のメリットや楽しみ方についてお話を伺った。
運動が苦手でも楽しめる乗馬
オリンピッククラブには現在、10歳から80歳まで幅広い年代層がいる。また、運動が苦手な人や体が固い人でも上達する人は多いのだとか。「柔軟性やバランス感覚、リズム感などはあった方がよりいいかもしれませんが、乗馬を通して自然と身につくもの。体が固くても、とても上手に馬を乗りこなす方もいます。『運動が苦手ですが、本当に大丈夫でしょうか?』と聞かれるお客様もいますが、問題ありません」(白井さん)。
馬は当然ながら生き物。嫌なことは拒否するし、美味しそうな草があれば、騎乗中でも構わずコースから外れることもあり、人間の思い通り……という訳にはいかない。だから馬を力づくで動かす、というより馬と信頼関係を築きながら、ルールに則って乗りこなしていくという方が近い。馬は人間の三歳児と同程度の知能レベルなので、ルールに即して接すれば、調教された馬はきちんと応えてくれる。ルールも守るにも高度な運動能力を要するものではないので、初心者には始めやすく、上達しやすいスポーツと言えるだろう。
馬とコミュニケーションをとる
オリンピッククラブでは初級者向けとして、乗馬ライセンス5級取得コースが用意されている。1カ月以内に3回(計10鞍分)のレッスンを受けるコースで乗下馬、馬を歩かせる「常歩(なみあし)」の発進・停止・方向転換、馬をやや小走りにする「軽速歩(けいはやあし)」の練習まで学べ、最後は実技と筆記で5級ライセンス合格を目指す。
乗馬ライセンス5級取得コースの一部を白井さんに見せていただいた。まずは、馬への基本的な接し方から。「馬は怖がりなので、馬の視界に入らない真後ろから近づくのはNG。後ろ足で蹴られる危険があります。また、馬は音で人間との距離をはかっているので、走って近づいたり、大声をあげたりして、驚かせることも避けましょう」。
馬を撫でるのであれば、横から首筋や頬、額などを撫でてあげるといい。「前から触るのは馬が怖がってしまうこともあるのでやめましょう。また馬によって撫でると喜ぶ部分が違います。馬は喜んでいると唇を震わせるので、ぜひ探してみてください。馬との距離がグッと縮まりますよ」。
乗馬の基本
レッスン時には、騎乗しながら手綱の握り方や姿勢など講師が細かく説明してくれる。特に難しいのは軽速歩。上下の振動にあわせて、立つと座るをリズムよく繰り返すのだが、初心者にとってはなかなかコツがつかめず、大半が5級取得コースの最終日に、なんとなく分かってくるという。「上達のコツとしてはリラックスすること。細かい部分は講師がその都度教えますし、何となく分かってくると思いますので、楽しんで騎乗してもらえたらいいですね」。
乗馬で広がる楽しみ
乗馬は100鞍乗れば上達すると言われている。大体1年間通して騎乗することで、乗馬の基本がつかめてくるという。乗馬ライセンスを取得すれば、一人で馬に乗ることもできるようになるし、旅先で海岸や森など馬場を飛び出して乗馬する「ホーストレッキング」を楽しむこともできる。ただし、「お客様は資格取得が目的というより、癒しを求められている方が多い印象です。体験コースはグループレッスンですので、一人で参加してそこで仲間を作られる方も多いですね」と、馬に乗ること自体が楽しみとなっているようだ。
■こんな人に乗馬はお勧め!
・動物に触れ合うのが好き
・非日常な空間でリフレッシュしたい
・運動は苦手だけど体を動かしてみたい
上記に当てはまらなくても、前述したように乗馬は誰でも楽しめるスポーツ。まずは体験コースから、乗馬に触れてみてはいかが?
オリンピッククラブ
日本最大級の乗馬クラブ。国体受賞歴など有する講師陣から、初級者から上級者まで丁寧なレッスンを受けられる。池袋・秋葉原・成田・千葉から無料の送迎バスも用意。3日間の乗馬ライセンス5級取得コースは4万8,500円(受講料3万円+諸経費8,500円+試験料1万円 / 乗馬手袋付き)。現在、創立25周年キャンペーンとして、毎週抽選で5組10名に5級ライセンス取得コースを無料で提供中。詳しくはこちら