日本でもようやく販売が開始されたAppleのiPad 2だが、発売が1カ月ほど先行した欧州では早くも、どのモデルが人気かをまとめた販売データが公表されている。調査会社の英Contextがまとめたデータによれば、発売から6週間の時点で最も人気なのは容量64GB搭載のWi-Fi+3Gモデルで、全体のおよそ3分の1。次点が16GBのWi-Fiオンリーモデルで、22%を占めるという。
この調査はContextが5月初旬までの主に西ヨーロッパにおける販売傾向としてまとめたもので、V3.co.ukが5月11日(英国時間)にその内容を報じている。初代iPadの人気は比較的低価格のモデルに偏っていたが、今回の調査では最も費用のかかるモデルがトップで、最も廉価なモデルがその次につけるという、両極端の結果になっているのが興味深い。
2011年第1四半期時点でAppleの同市場におけるシェアは80%と、販売傾向が変わってもAppleのタブレット市場における存在感が引き続き強固である様子はうかがえるが、直前の第4四半期と比較すると5ポイントほど数字を落としている。Android端末などタブレット市場の新興勢力も徐々にラインナップを増やしているのがその理由で、ContextアナリストのSalman Chaudhry氏は「今年は以前ほど(Appleが)盟主の座を維持するのはたやすくないだろう」と予測する。
このほかContextでは、Androidタブレットの市場動向でいくつかの指標を出している。1点目は人気モデルのトップがMotorola XoomとSamsung Galaxy Tabの2モデルであること。2点目は、Toshiba Folio 100が今年2月時点で68ユーロ安の243ユーロの平均価格へと値下げされたことで320%の販売増を達成するなど、価格が普及ドライバーになっているということだ。また、AcerのAndroidタブレット「Iconia A500」が、販売台数ベースでWindowsタブレットの「Iconia W500」を4倍近く売り上げるなどしており、Android端末のプレゼンスは確実に高まりつつあるようだ。