100万円貯めた人が、まず最初に見直す出費が食費
私は、主婦層を対象とした生活情報誌の取材ライターを長年、経験してきました。その中で貯蓄残高が100万円を超える人たちを多く取材し、最近では、1,000万円以上の貯蓄を保有している人たちに会う機会も増えてきました。収入増が望めないどころか、ボーナスや残業が減り、減収も珍しくない昨今ですが、貯めている人たちは、そんなことはどこ吹く風とばかりに、ガッチリ貯めています。取材を通してわかったことは、100万円貯めた人が、お金を貯めることに目覚めたとき、まず最初に見直す出費が食費だということです。
住居費や保険料は見直すのに手間がかかります。水道・光熱費を抑えるのは、ちまちま節約する必要があるわりには、成果がいまひとつ実感できません。その点、食費を減らすことは、きょうからでもできることなので、成果もすぐにあらわれます。100万円貯めた人たちみんなが、最初から倹約家であったわけではありません。以前は食費にいくらかかっていたかよくわからない、夫婦共稼ぎで外食費を合わせると月10万円は軽く超えていた……という人も少なくありません。今回は、そんな"ザルの家計"から脱出して、2~3年後に見事、100万円貯蓄を達成した人たちが、実際にやっている食費節約のツボをご紹介します。
買い物は週1回しか行かない
100万円貯めた人は、圧倒的にまとめ買い派です。毎週定例のスーパーの特売日を狙って、1週間分の食料を買出しに行きます。よくスーパーのチラシには、砂糖、サラダ油、インスタントコーヒーなど「本日の目玉商品」と銘打つ、日替わりの特売品が掲載されていますが、それにつられて買い物に行っていては、スーパーの思うツボ。スーパーに立ち寄れば、お目当ての特売品以外にも余計なものをつい買ってしまうものです。100万円貯めた人たちは「買い物回数を減らすことが一番の節約」「特売に振り回されないようになったら、貯まるようになった」と言います。買い物は週1回のまとめ買いが基本です。
1週分の食費予算を決める
私が、取材に伺う食費節約上手さんは、夫婦と就学前の小さいなお子さん2人の4人家族というのが一般的で、1カ月の食費は2万~3万円。それを5週で割った4,000~6,000円が1週間分の食費予算。買い物は週1回が基本ですから、1回の買い物に使うお金がだいたいそれくらいということです。
買い物前に5日分のメインおかずだけを考える
1週間は7日ですが、5日分だけ考えるのがツボ。5日分の食材で7日間、生き延びるというわけです。また、7日間の献立を考えるのは手間がかかりますし、きっちり決めすぎると、融通がきかないデメリットがあります。5日分なら、わりと簡単に思いつき、さらに、メインおかずだけを考えればいいのでラクチンです。
買う物は、1つ=100円が目安
100万円貯めた人は、いわゆる"底値"をあまり気にしません。それよりも、1つ=100円ルールを実践している人が多くいます。たとえば、肉は100g=100円以内、魚は1切れまたは1匹=100円以内、野菜は1つまたは1パック=100円以内。1つ=100円ルールなら100円×買い物かごの中の商品数=おおよその金額、と把握しやすく、買い物途中で予算オーバーをチェックできます。
"じゃがたまにん"など買う物は、いつもほぼ同じ
100万円貯めた人のまとめ買いの内容を聞くと、驚くほど共通点があります。必ずと言っていいほど含まれている定番食材を紹介します。
野菜部門はじゃがいも、玉ねぎ、にんじん、葉物野菜(ほうれん草、小松菜、水菜、レタス、チンゲン菜など)を2種類、きのこ類2種類、ピーマン、もやし。キャベツ、白菜、大根などの大物野菜が特売になっていたら購入。ただし、その場合は葉物野菜を買いません。
肉部門は、豚こま切れ肉、ひき肉(豚ひき肉、合いびき肉、鶏ひき肉のうちどれか1種類)、鶏胸肉または鶏もも肉
常備食材部門は卵、牛乳、豆腐、納豆、ヨーグルト、ウインナー、ツナ缶
乾物部門は、高野豆腐、ひじき、切り干し大根、春雨
まるで、「100万円貯めるための食料品買い方マニュアル」でもあるかのように、皆さん、同じような物を買っています。
調味料は、月1回プライベートブランド(PB)商品をまとめ買いする
しょうゆ、酒、みりん、サラダ油、酢、ポン酢、マヨネーズなどの調味料予算を、週予算とは別に取り分けている人も少なくありません。というのは、こういった大物調味料を週予算で買うと赤字になりがちだからです。今月なくなりそうな調味料を給料日後にまとめて買うと、食費管理が簡単になります。PB商品なら安値安定なので、特売日に関係なく買うことができます。
ホットケーキミックスでおやつ代を浮かす
ホットケーキミックス好きなことも、100万円貯めた人たちの共通点。ドライフルーツ、ココアパウダー、ヨーグルトを混ぜてオーブンで焼く、耐熱カップに入れて電子レンジでチン、丸めて揚げて、沖縄のお菓子のサーターアンダギー風など、ホットケーキミックスがおやつに大活躍。つい買ってしまいがちな菓子パンや惣菜パンを"ホケミ"で阻止します。
今回は、食費節約に役立つ買い方を中心にご紹介しました。参考にすれば、食費がガクンと減り、100万円がラクラク貯まるはずです。
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