カナダのResearch In Motion(RIM)は5月2日(現地時間)、同社の最新モバイルOSプラットフォームとなる「BlackBerry 7 OS」を発表した。パフォーマンスが大幅強化されているほか、HTML5 Videoにも対応するなどWebブラウザ機能が拡充されている。また「BlackBerry Balance」と呼ばれる機能が用意されており、これにより企業関連のデータと、SNSなど個人で扱うデータを1台のBlackBerry内で別個に扱うことが可能になる。BlackBerry 7 OS自体は今年夏に発売予定の「BlackBerry Bold 9900 / 9930」とともに出荷提供されることになる。
RIMによれば、BlackBerry 7 OSはパフォーマンス重視のBlackBerry Boldプラットフォーム向けにデザインされた新OSだという。高パフォーマンスを要求される高レスポンスUIやWebブラウザ、音声入力検索など、大幅な機能強化が図られている。特に顕著なのがWebブラウザの強化で、新型JIT(Just In Time)コンパイラ導入によるJavaScriptの高速処理に加え、videoタグを含むHTML5のサポートなど、フルブラウザとしての性能向上が目覚ましい。Liquid Graphicsと呼ばれる新エンジンの搭載により、全体のレンダリング速度やスクロール/ズーム処理も高速化しており、UIを含む全体的なレスポンスも向上している。HTMLレンダリングに関してどのエンジンを使用しているかは不明だが、先日発売された同社タブレットのPlaybookではWebKitが採用されているため、BlackBerry 7 OSでも同様にフルブラウザでのWebKit採用が行われている可能性がある。
前述のように、BlackBerry Balanceの採用により企業がエンタープライズシステムで扱うデータと、例えばFacebookやTwitterアカウント、ゲームアプリ、電子メールといった個人データを別個に扱うことが可能になり、セキュリティを維持しつつ使い勝手が向上している。このBlackBerry BalanceはBlackBerry Enterprise Server 5.0.3(BES)と連携動作し、BESで設定される企業のIT運用ポリシーに沿って端末を制御できる。リモートワイプでは企業データの削除のみが可能など、細かい運用もできるようだ。