カナダのResearch In Motion(RIM)は5月2日(現地時間)、同社スマートフォンの最上位モデルの最新版「BlackBerry Bold 9900 / 9930」を発表した。2.8インチの液晶ディスプレイサイズはそのままに、解像度が従来の480×360から640×480ピクセルのVGAになっているほか、プロセッサの動作周波数が従来比約2倍の1.2GHz駆動にまで引き上げられ、768MBのメモリを内蔵する。さらに720pのHD動画撮影可能な500万画素カメラに加え、NFC機能を標準搭載する。OSは、最新のBlackBerry 7 OSをサポートしている。
ディスプレイサイズ拡大などハードウェア上のスペックが大きく変化したBlackBerry Bold 9900シリーズだが、筐体サイズは従来のBlackBerry Bold 9000シリーズとほぼ同等で、しかもさらに薄くなっている。9000シリーズでは114×66×15mmの筐体サイズだったが、9900では115×66×10.5mmと3割以上も薄くなっている計算だ。重量も136gから130gとわずかながら軽くなっており、携帯性は向上している。ディスプレイサイズが従来の2.44インチから2.8インチへと拡大しているが、デザイン上は筐体におけるディスプレイの占める面積がそのまま拡大した形となっており、解像度の増強と合わせて視認性を高めている。なお、BlackBerry Boldは9900シリーズから「Liquid Graphics」というタッチスクリーン対応になっており、秒間60フレームなど新OSでの高速レスポンスと合わせて操作性が向上しているとRIMでは説明する。BlackBerryはもともとQWERTYキー+トラックパッドを採用する従来型モデルと全面タッチスクリーンの最新トレンドを追いかけた2系統のモデルが存在しているが、今回の9900シリーズはちょうど両者の特徴を組み合わせたものとなっており、光学トラックパッドも引き続き採用されている。
ハードウェア内部を見ていくと、まずプロセッサの大幅強化が目立つ。従来の9000シリーズに採用されていたプロセッサの動作周波数は624MHzだとされているが、これが今回1.2GHzにまで引き上げられている。グラフィックも強化されており、OpenGL 2.0ベースのAPIを使ったゲーム開発が可能だという。搭載メモリも256~512MBだったが、これも768MBにまで引き上げられている。内蔵ストレージも8GBになっており、これに最大32GBまで対応したmicroSDで拡張が可能。カメラも従来の200~320万画素クラスから500万画素へと性能が向上しており、720pのHD動画撮影が可能になっている。センサーとしてはA-GPS対応の位置情報センサーのほか、加速度センサー、デジタルコンパス、近接センサーなどを搭載する。Bluetooth 2.1+EDRに対応し、IEEE 802.11 a/b/g/n (2.4/5.0GHz)に対応する。またNFC対応により、例えばスマートタグによる情報入力などNFC対応アプリが利用できるようになる。
なお9900と9930の違いは対応する携帯電話ネットワークの部分のみで、9900がトライバンドHSPA+とクァッドバンドGSM/EDGEに対応したGSM系列モデル、9930がデュアルバンドCDMA/EV-DO Rev. Aに加えてデュアルバンドHSPA+、クァッドバンドGSM/EDGEをサポートしたCDMAキャリア向けのワールドワイドローミング対応モデルとなっている。提供キャリアや価格帯などは未発表だが、ハードウェアのお披露目を含めたより詳細な情報は5月3日から米フロリダ州オーランドで開催される「BlackBerry World」で明らかにされることだろう。