連休中の海外旅行、日本の携帯電話を持ち出して現地で利用する人も多いだろう。海外でのパケット料金も1日単位の定額サービスが登場し、渡航先によっては料金を気にせず利用することも可能だ。だが現地のデータ通信料金はそれよりもはるかに安い。今回はアメリカで購入できる安価なスマートフォンと格安なデータ定額料金を紹介しよう。
T-Mobile USAの安価なスマートフォン
アメリカの各通信事業者のプリペイドサービスは、今や音声通話だけではなく3G回線を利用したデータ定額ないし準定額が提供されている。そのため海外からの渡航者も安心してデータ通信環境を利用することができる。
その中でもT-Mobile USAのプリペイは1日1.49ドル、約122円でデータ定額が利用できる。1週間滞在しても1000円以下で済む計算だ。T-Mobile USAはW-CDMA方式のためプリペイドSIMカードを販売しており、別途対応端末を組み合わせて利用する。ただし同社の利用するW-CDMAの周波数は上り1700MHz、下り2100MHzの"バンドIV"と呼ばれる特殊なもの。ドコモやソフトバンクの2100MHz(上下)、イー・モバイルの1700MHz(同)とは違う方式なのだ。そのため日本で入手できるSIMロックフリーの端末に、T-Mobile USAのプリペイドSIMカードを入れて使うことはできない。
だがT-Mobile USAは自社周波数に対応した携帯電話とプリペイドSIMカードをセットにしたパッケージも販売しているので、それを購入すればよい。しかもスマートフォンも用意されており、日本語化することでメールをチェックしたり、テザリング機能を利用してノートPCなどからデータ通信モデムとして利用できるのだ。
今回購入したのは「T-Mobile Connect」というT-Mobileブランドのスマートフォン。実は日本でイー・モバイルが販売するPocket Wi-Fi S(S31HW)や、日本通信が販売するIDEOSの同系モデルだ。日本品の製品型番はU8150-Bだが、T-Mobile ConnectはU8150-AとなりバンドIVに対応している。価格は149.99ドル、約1万2300円だった。
この価格はアメリカ滞在数日程度の人にとっては高いかもしれない。だが日本の海外パケット定額をフルに使えば1日約3000円、5日も利用すれば十分ペイできてしまう。またアメリカに年に2回以上訪問するなら次回からは端末代金は不要になりデータ定額料金だけで済むことになる。現地でスマートフォンを買うのも意外とお得なのだ。
スマートフォンを購入、登録を行う
プリペイドのセットはT-Mobile USAの店舗、または大手家電量販店で販売されている。パッケージには端末とSIMカードがセットになっており、別々に購入する必要は無い。T-Mobile USAの店舗で購入した場合はその場でSIMカードの開通作業も行ってくれる。BestBuyで買った場合はホテルに戻ってPCを使い、T-Mobile USAのWebサイトにアクセスしてユーザー登録が必要だ。
今回はBestBuyでパッケージを購入。また数日分の通信料金として合わせて10ドルのリフィルカード(料金追加カード)も購入した。
ホテルに戻りパッケージを開封したら、T-Mobile Connect本体に同梱されているSIMカードを装着して電源を入れよう。端末本体でGoogleアカウントの登録などを行い(スキップして後でもよい)、それからPCを使ってT-Mobile USAのプリペイドサービスのサイトにアクセスする。必要事項はパッケージに入っているActivation Cardに記載されているActivation Code、SIMカードのシリアル番号、端末のIMEI番号ホテルの郵便番号など。10分もあれば登録作業は終わるだろう。
なおプリペイドには料金プランが複数ある。短期滞在の場合は使った分だけ払う「Pay As You Go」を選ぶといいだろう。T-Mobile店舗で登録するときはそう伝え、自分でWebサイトで登録する際はPay As You Goを選べばよい。また滞在が長い人は、国際電話が1カ月無料の「International Unlimited Talk & Text with 100 MB」もお得だ。日本の固定電話へは無料、携帯電話へは0.19ドル/分(約16円)で通話できる。