新中期経営計画「GT12」によるパラダイムシフト
同社が2010年度より進めている新中期計画 「Green Transformation 2012(GT12)」のテーマは「3つのパラダイム転換」で、同社ではその転換の進捗を示す指標として「Transformation指標」という6つの指標(「6重点売上比率」「エナジーシステム事業売上」「新興国売上」「海外売上比率」「システム・設備事業売上」「(システム・設備事業売上のうち)海外比率」)を掲げている。
各指標の状況については以下の図に示すが、6重点事業については2010年度の業績では、冷熱コンディショニングとLEDが順調に拡大したものの、それ以外のエナジーシステムやネットワークAVなどが前年を下回り、売上比率は、前年比横ばいとなった。
一方、新興国売上は、インドやベトナムなどが大きく伸び、前年比20%増の成長となったものの、海外売上比率は、為替の影響や北米の落ち込みにより前年比横ばいとなった。
また、システム・設備事業も、全体の売上計画は達成したものの、海外比率を計画通りに高めることはできなかったとしており、総括では、目標どおりの成果を出した事業や地域はあったものの、全体としては、新領域や海外で大きく伸ばすことができず、低成長から脱却できまなかったことに加え、薄型テレビ、リチウムイオン電池など、中核となるべき事業が、収益面で足を引っ張る結果となったと2010年度の業績を振り返った。
グループ再編と新成長戦略の推進を並行して展開
同社はGT12の下、パナソニック電工および三洋電機の完全子会社をベースとしたグループの再編と、新成長戦略の推進によるグループとしての変革を進めている。
これらの変革の狙いは、グループ全体としてのシナジーの創出と経営のスピードアップと最大化。2010年7月に電工と三洋の完全子会社化が発表されたが、同社ではその直後からTransformationプロジェクトをスタートさせ、再編内容や新たな成長戦略の検討を進めてきた。
今回発表された「2011年度事業方針」は、その一部であり、新事業体制が発足する2012年1月1日までに再編を進め、新体制による成長戦略の礎と位置づけされるものとなっている。