JTBはこのほど、列車の「車窓から見える景色」についてのアンケート結果を発表した。アンケートは3月3日から9日まで、同社が運営する「たびQ」で会員向けに実施したとのこと。有効回答数は8255、内訳は男性4892、女性3014、不明349。回答者の年齢は40代、50代、30代を中心に、20代以下、60代以上となっていたという。

アンケート1位の「富士山」(東海道新幹線)

「車窓から見える景色」の関心度については、64%が「関心がある」と回答。「少し関心がある」は28%で、列車で移動する場合はほとんどの人が車窓に興味を持っているという結果になった。また「お気に入りの車窓があるか」という問いには44%が「ある」と回答した。実際にお気に入りの区間を上げる問いには3045の有効回答があり、1位は東海道本線、東海道新幹線の三島 - 静岡間で、車窓から見える富士山の人気がもっとも高かった。次に五能線、伊豆急行と続き、海の車窓の人気も高かった。また、被災した三陸鉄道も23位に入ったという。

順位 路線名 区間または駅
1位 東海道本線 東海道新幹線 三島 - 静岡(新富士 富士川 富士 三島)
2位 五能線 東能代 - 川部 (深浦 千畳敷 五所川原)
3位 伊豆急行 伊東 - 伊豆急下田 (伊豆北川 伊豆稲取 河津)
4位 篠ノ井線 姨捨
5位 釧網本線 釧路 - 網走 (北浜 釧路湿原 塘路)
6位 函館本線 札幌 - 小樽 (銭函 朝里 小樽築港)
7位 山陽本線 須磨 - 明石 (須磨 垂水 舞子)
8位 肥薩線 人吉 - 吉松 (大畑 矢岳 真幸)
函館本線 大沼公園
10位 羽越本線 村上 - 象潟 (桑川 村上 あつみ温泉)
11位 嵯峨野観光鉄道 トロッコ嵯峨 - トロッコ亀岡
12位 江ノ島電鉄 鎌倉高校前 七里ヶ浜
13位 小海線 小淵沢 - 野辺山 (清里 野辺山)
紀勢本線 御坊 - 紀伊勝浦 (白浜 紀伊田辺 周参見 串本)
15位 箱根登山電車 箱根湯本 - 強羅

お気に入りの車窓について「その季節はいつか」という問いには58%が「季節によらない」と回答した。また、北海道については夏と冬の人気列車の景色、初夏の箱根登山鉄道の紫陽花、春の桜は全国的に、東北地方の紅葉も人気が戦ったとのこと。お気に入りの景色を見られる「時間帯」については、問わない人が55%と多い一方で、寝台列車から見た明け方の景色や、夜間の列車から見える「工場夜景」を上げた人もいたという。

お気に入りの景色を知ったきっかけについては、28%が「自分で見つけた」と回答した。しかし、「TVやCM」(26%)、「雑誌や書籍」(25%)、「インターネット」(3%)を合わせると過半数となり、メディアの影響力の高さを伺わせる結果となった。車窓からの景色を目的に列車に乗ったことがあるという人は47%で、「メディアに紹介された景色を見るために列車に乗る」という需要もありそうだ。「鉄道に乗ることが旅の目的のひとつとなっており、今後、鉄道の旅は増えていく」(同社)。