大阪市交通局はこのほど、地下鉄御堂筋線の新型車両「30000系」の概要を発表した。2009年に谷町線に導入した30000系を改良した御堂筋線版で、大阪市営地下鉄の現在の主力車両である新20系をベースに最新の技術を搭載したという。

御堂筋線に導入する「30000系」イメージ

新たに採用され技術は「車体骨組みの最適化」「新台車の採用」「最新の火災対策基準を適用した素材」とのこと。重量の増加を抑えつつ、車体四隅の材質を厚くして強度をアップ。新しい台車で走行安定性を高めて乗り心地を向上したという。車体外観は曲面ガラスを使用した丸みのあるデザインとし、御堂筋線のラインカラーとなる赤色の帯を配し、タテ方向にも号車番号をデザインしたラインが入るとのこと。行き先表示器はLEDを採用して視認性を高めているという。

天井を高く、ひとリあたりの座席幅も拡大

車内は天井を高く、窓を大きくして開放感を高めた。ドア横のスペースを拡大して、大きな荷物を持った乗客に配慮しつつ、座席上の荷物棚の位置を約40mm下げて利用しやすくしているという。座席はバケットタイプで、ひとリあたりの座席幅を30mmほど広げ、形状を工夫して座った状態から立ち上がりやすくなるとのこと。連結部の通路幅は200mm拡大し、緊急時にスムーズな移動ができるように配慮。車内にはワイド型液晶ディスプレイを搭載し、乗り換え案内や駅設備などを日本語、英語、中国語、韓国・朝鮮語の4カ国語で表示する。

車内に大型のワイド液晶パネルを搭載。4カ国語で停車駅などを案内する

バリアフリーの取り組みも進めており、床面高さとホームの段差を縮小し、ドア部分の床に黄色のラインを入れて識別性を高めた。また、ドア開閉時はチャイムとランプの点滅で知らせる。省エネルギーへの取り組みとして、冷房装置の配置の最適化、制御方式にVVVFインバータを採用して、消費電力量を10系より10%も削減できるという。

御堂筋線用の30000系は12月から10両1編成が営業運行を始める予定。以降随時、10系車両を置き換える。御堂筋線への新型車両の導入は新20系以来20年ぶりとのこと。